藤井五冠も里見女流五冠へエール 将棋界初の女性「棋士」を目指す戦い始まる 第1局は…
将棋界で初めての女性の「棋士」を目指す里見女流五冠の戦いが始まりました。若手棋士相手に5回対局を行い、3勝すると合格となります。藤井聡太五冠も、里見女流五冠の挑戦にエールを送っていました。その第1局は…。
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将棋界に新たな1ページを刻むのでしょうか。18日午前、里見香奈女流五冠(30)は対局前に目をつむり、じっとその時を待っていました。相手は徳田拳士四段(24)。今年度、わずか1敗しかしていない強敵です。
里見女流五冠は2008年に16歳の若さで、初めてのタイトルを獲得しました。島根・出雲市出身ということで、「出雲のイナズマ」の異名を持ちます。8つのタイトル戦を争う将棋の女流棋士なかで、現在5つのタイトルを保持しています。
圧倒的な強さを示していますが、これは女性のみで戦う「女流棋士」の世界の話です。同じ将棋でも、藤井聡太五冠が戦う「棋士」の世界とは制度が異なります。
実は、これまで「棋士」になった女性はゼロ。里見女流五冠は女性で初めての「棋士」を目指しているのです。藤井聡太五冠も、里見女流五冠の挑戦にエールを送っています。
藤井聡太五冠(先月28日)
「こうして道を切り開いてこられたということは、本当に素晴らしいことだなと思っています」
若手棋士相手に5回対局を行い、3勝すると合格となる里見女流五冠の「棋士」への挑戦。先月の会見では――
里見香奈女流五冠(30)
「多くの方々に注目していただけるということは、うれしいと思うのと同時に、そういうことが珍しくないような社会になればいいなと思う」
そして、18日午後5時半ごろに第1局は終わり、里見女流五冠は残念ながら負けてしまいました。残り4局で3勝が求められる、初の「女性棋士」を目指す戦い。次の対局は、来月22日に行われます。