シニア世代に好評「スローレジ」 焦らずゆっくり会計…もたついても心配なし
コンビニやスーパーなどでセルフレジが普及していますが、会計で手間取って焦ってしまったという声も多く聞かれます。そんな中、焦らずゆっくり、安心して会計ができる「スローレジ」が広がっています。
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今やスーパーなどでは、当たり前になりつつある光景が、支払いなどを自分で行うセルフレジです。操作案内を遮り操作するほど、みなさん慣れた手つきで使っている様子です。その最大のメリットは――
70代
「はやいっ!」
30代
「ずいぶん、めちゃくちゃはやく感じます、前より」
レジ待ちの時間短縮を感じている人が多いようです。
店側にとっても――
アキダイ 秋葉弘道社長
「少ない人数でもレジが回せる状態。 2人体制でやる、2人制というレジが1人でできるという状態です」
スーパーやコンビニなどで増えたセルフレジ。ただ、中には、「なかなか使いこなせない」という人もいます。
70代
「私は店員さんの方がいい。年寄りになると(画面の)細かい字がなかなか読めない。お金入れるにも出すにも大変なんだよね。でもこういう時代だからね、なんとか覚えて」
さらに、セルフレジの普及が進んでも、今も昔も変わらずつきまとうのは“あのプレッシャー”です。
50代
「結構、後ろに気を使います」
60代
「お財布と格闘している時間くっちゃって、申し訳ないなと思うことありますよね」
「はやく!」と言われずとも感じる、後ろからのプレッシャー。
20代
「正直、『ちょっとはやくしてくれないかな』じゃないけど、思っちゃったりはしますね。そのあとの予定ない時とかだったら全然気にならないんですけど。セルフレジの方が混んでいないので(使っている)」
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誰もが使いやすい買い物環境へ。今、全国で広がり始めている“あるレジ”があります。
福岡県のスーパー「ゆめタウン南行橋」で行列ができていたのは、「スローレジ」です。コンセプトはその名の通り――
店員
「892円、お金落とさんでね~」
80代
「はい、ありがとう」
店員
「ゆっくりでいいけんね」
ゆめタウン南行橋 安藤康太店長
「『焦らず、ゆっくり買い物をしてくださいね』と。従業員がお客さまとコミュニケーションをとりながら、フルサービスでやっているレジです」
安心・親切・丁寧なスローレジ。
店員
「あちらにお持ちしておきまーす」
70代
「あ、すみません~」
店員
「現金支払いでいいですかね?」
70代
「はい?」
店員
「現金支払いでいい?」
70代
「はい!」
言葉を聞き直しても、お財布にもたついても心配なし。
80代
「スローレジがいいですよ、私のスピードには」
――「ゆっくりでいいですよ」がいい
70代
「いいですよね。わかってるからみんな慌てないじゃないですか、ここに並んだ人は」
利用者の多くは高齢者で、「ゆめタウン」の運営会社「イズミ」は、中国・九州にある約60店舗で導入しているといいます。
時代が逆行したような光景ですが、もちろん、他のレジは比較的若い人が利用していました。それぞれが使いやすいレジへ、スーパーの新たな取り組みが、誰もが暮らしやすい社会への一歩となるかもしれません。