東京・墨田区は2023度当初予算案を発表し、妊娠・出産・子育て支援を妊娠前から切れ目なく行う墨田区版ネウボラの推進と、妊婦や3歳未満の子どもがいる世帯を対象にした家事・育児のサポート事業を開始するなどの方針を明らかにしました。

東京・墨田区は一般会計で前年度比3.4％の増加で、過去最大の規模となる、およそ1268億円の2023年度予算案を発表しました。

国や東京都が相次いで少子化対策の拡充を掲げる中、重点課題のひとつに「子ども・子育て支援の充実」を掲げる墨田区は、新たに墨田区版ネウボラの推進に取り組む考えを明らかにしました。

ネウボラとは、福祉先進国フィンランドの母子支援制度で「助言の場」を意味します。

妊娠期から就学前までの健康診断や相談支援を行う、子育て支援の制度やその拠点のことで、各家庭に担当保健師がつき、父親を含む家族全体へ信頼関係を築きながら、継続的に支援を行っていく取り組みです。

墨田区版ネウボラでは、妊娠の前からの切れ目ない支援を掲げ、健康づくりや将来の出産・育児にかかる相談支援にはじまり、妊娠して最初の面接後には子育てに関連する商品の購入や、サービスの利用に使用できる5万円分の出産応援ギフトの配布をおこないます。

妊娠面談はリモートでも対応し、希望する妊婦には8か月ごろを目安に再度、面談を行います。

また父親の育児参加を促す出産準備クラスなどのサービスも拡充します。

産後ケア事業も宿泊型は3泊4日から6泊7日に延長し、日帰り型の本格実施も開始します。

また、区の担当者が新生児のいる家庭を訪問して相談などに応じ、その後、再び5万円分の子育て応援ギフトが配布されます。そして、全ての面談や乳幼児健診を受ければ、1歳半健診の際にも1万円分の育児用クーポンを給付するということです。

さらに、妊婦や3歳未満の子ども育てる家庭を対象に、家事・育児支援を行うサポーターを派遣する事業も新たに開始します。

この事業では、ネットや電話で区に利用申請し、承認されれば、希望するサービスを実施している事業者を、妊娠期には20時間、子どもが0歳の間は60時間、1歳、2歳の間は20時間、0歳の子どもに加え3歳未満の兄・姉がいれば180時間まで利用できるということです。