「立入禁止の灯台に入りたい!」 隣のホテルがラブコールを送るワケ 念願かなった1日に密着!
長年愛し続けたお隣さん。そのラブコールがようやく実った運命の1日に密着しました。
「入りたいのに入れない…」もどかしい気持ちを抱えるホテルの社長
「もちろん興味があり、入りたいと思っていましたが、うちの方では一切開けることもできませんし、鍵もない状態ですね」と、もどかしい気持ちを抱えていたのは、上野新吾さん。愛知県蒲郡市にある「ホテルたつき」の社長です。
もどかしい気持ちの相手は、西浦半島の先端にある「橋田鼻灯台」。
三河湾を眺めながら入ることのできる大浴場や、露天風呂がついた客室が有名な「ホテルたつき」。ロビーからは、灯台をより近くに感じることができます。灯台は50年以上前から同じ場所にありますが、海上保安庁が所有する土地のため、中に入ることができませんでした。
「ホテルたつき」上野新吾社長:
「まれに見たいという方がいました。どうしてもうちの敷地を通らないと行けないということで。本当はお見せしたくて『どうぞご自由に』と言いたかったが、そういう事情で一部お断りしていた部分もあります」
ホテルの周辺には灯台の名前がついた遊歩道もあるのですが、歩いてみても灯台はほとんど見えません。
そのため、上野社長は長年「中に入ってみたい」「観光資源として活用したい」と思ってきましたが、国が管理する施設なので話しても断られるだろうと、なかなか前に踏み出せずにいました。
海上保安庁から思いがけない提案が…!
そんな中、海上保安庁から紹介されたのが「航路標識協力団体制度」。指定されると、敷地の清掃や草刈りなどに取り組むことで、灯台を観光資源として様々なイベントなどに活用できるというものです。
3年前に指定を受けた美浜町の「野間埼灯台」では、ライトアップやプロジェクションマッピングなど、様々なイベントを実施し、観光資源として活用しています。
第四管区海上保安本部 奥康彦本部長:
「地域のみなさんの観光資源として使えるならば我々もすごくありがたいですし、国としても今、観光をしっかり推していこう(と考えている)。その一環だと思います」
鍵を受け取った上野社長。さっそく長年思い続けてきた相手、「橋田鼻灯台」へ向かいます。
ラブコールが実り、いよいよ灯台の中へ…!
二つの鍵をあけ、いよいよ中へ初潜入です。なが~い螺旋階段をのぼった先にある重厚な黒い扉を開けると、三河湾を一望できる展望台がありました。
県内で最も明るい灯台だという「橋田鼻灯台」。念願だった灯台内へ入り初めて見る景色に「ここから見る夕日は違うと思いますね」と、上野社長の思いもあふれます。
「ホテルたつき」上野新吾社長:
「これからどういうふうにやっていこうかと改めて考えて、1日でも早く見学者の方に来て頂いて、喜んで頂けるような施設にしていきたいと思っています」
「ホテルたつき」では、今後、灯台見学を盛り込んだプランや地元市民を招待するイベントなどを検討していきたいとしています。