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“脱ハンコ”の救世主になるかも!? 赤ちゃんの手足を汚さず手形足形がきれいにとれる 老舗ハンコメーカーが試行錯誤の末にたどりついた“赤ちゃん向け商品”とは

2024年10月1日 13:12
“脱ハンコ”の救世主になるかも!? 赤ちゃんの手足を汚さず手形足形がきれいにとれる 老舗ハンコメーカーが試行錯誤の末にたどりついた“赤ちゃん向け商品”とは
手形足形をとる画期的な商品が登場

見ているだけで癒されるかわいい赤ちゃんが、“脱ハンコ”で売り上げ減少に苦しむハンコメーカーの救世主になるかもしれません。

名古屋・西区の稲生コミュニティセンターで、子どもの手形足形アートを作るイベントが行われていました。今しかない小さな手足を記念に残しておきたいと、赤ちゃんがいる家族が集まっていたのですが、手形足形をとるときに困るのが、子どもの手足がインキで汚れること。

そんな悩みを解決する画期的な商品が登場しました。それが、子どもの手足を汚さずに、従来よりも簡単に手形足形がとれる「ぺたっち ベビー用」です。

1歳の蓮太郎くんが足形をとる様子を見てみると…。まずは透明のフィルムにインキをつけたら、ひっくり返して足を乗せます。すると、足をまったく汚すことなく、きれいに足形が転写できました。

蓮太郎くんのお母さん:
「汚れないっていうのは、すごい画期的だなと思いました。子どもはたちいろいろべたべた触ってしまったりするので、気にしなくていいのはありがたいですね」

この「ぺたっち ベビー用」、実は名古屋の老舗ハンコメーカー「シヤチハタ」が2023年に開発した商品なのです。最近の”脱ハンコ”の流れが直撃し、ハンコの売り上げは減少。これまでの技術を生かしてどうにかできないかと試行錯誤する中で、たどりついたものの1つが赤ちゃん向けの商品でした。赤ちゃん用品を中心に扱う担当者まで配置しているといいます。

「ぺたっち ベビー用」を開発した商品開発部の大野さんは、汚れないようにしつつ手形足形をくっきり出すことに苦労したと話します。

手形をとる際、指と指の間のインキが紙に付いて、水かきのような陰影が出てしまうことがありました。そこで、指をしっかり開くことができるようにと、指の間に突起があるフレームを考えましたが…。

シヤチハタ 商品開発部 大野彰士さん:
「なるべくこういう突起した部分をつくりたくなかったっていうのはありますね。安全最優先で不採用にしました」

赤ちゃん用品ならではの難しさに直面しながらも、フィルムの厚みやインキの粘り気で調整を重ね、1年越しで「ぺたっち ベビー用」を完成させました。工夫の甲斐もあり、発売後の反応は上々。これからも赤ちゃん向けの商品を開発していきたいと話します。

イベントに参加したお母さんたちも「たくさん種類があると便利でいいなと思いますね。いろいろ開発していただけると助かります」と、今後に期待を寄せていました。

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