「名張毒ぶどう酒事件」獄中死した奥西勝元死刑囚の死刑執行上申書の開示を求める裁判の控訴審 一審判決を支持し控訴を退ける 名古屋高裁
1961年、女性5人が殺害された「名張毒ぶどう酒事件」をめぐり、獄中死した奥西勝元死刑囚の「死刑執行上申書」の開示を求める裁判の控訴審が開かれました。名古屋高裁は、一審判決を支持し、控訴を退けました。
この裁判は、「名張毒ぶどう酒事件」で、9年前、獄中で死亡した奥西勝元死刑囚について、「死刑執行上申書」を法務省が開示しないのは違法だとして、国に対して開示を求めているものです。
「死刑執行上申書」は検察が法務大臣に対し死刑執行を申し立てる文書で、今年4月、一審の名古屋地裁は、「上申書の存在を答えることは、死刑を執行されていない者が精神的安定を失い自殺のおそれにつながる。不開示とした国の決定は適法」などとして、訴えを退け、これに対し原告側が控訴していました。
20日、開かれた控訴審の判決で、名古屋高裁は一審の判決理由を引用し、控訴を退けました。
判決後の会見で、原告の見田村勇磨弁護士は「情報公開法は公開を原則としているにも関わらず、このような針小棒大の危険性をことさらに取り上げて不開示決定の理由とすることは 承服しかねる」などと判決内容を批判しました。
「名張毒ぶどう酒事件」をめぐっては、今年1月、10回目となる再審=裁判のやり直しを求める再審請求が退けられ、弁護団は、現在11回目の再審請求の準備を進めています。