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有形文化財『愛岐トンネル群』を自転車で 試作した乗り物の試乗体験が11月から開始 観光資源としての活用を目指す 

2024年10月25日 14:35
有形文化財『愛岐トンネル群』を自転車で 試作した乗り物の試乗体験が11月から開始 観光資源としての活用を目指す 
愛岐トンネル群の5号トンネル前で(村上真善さん提供)

春日井市の国登録有形文化財「愛岐トンネル群」(旧国鉄中央線廃墟跡)の保存・再生に取り組む市内のNPO法人・愛岐トンネル群保存再生委員会が、トンネル内を自走式で走行する「エコ通行システム」の試乗体験を来月から実施します。

11月17日(日)に春日井市民対象の無料試乗会を開催するほか、23日(土)から12月1日(日)まで開かれる「秋の特別公開」でも無料で試乗できるということです。


エコ通行システムは、電動自転車2台を連結し最大で大人3人、子ども2人が乗れるようにした車両と、人力でこいで進む車両の2台があります。2023年から、春日井市内にある中部大学のほか、同じく市内に営業本部を置く自転車メーカー「東部」が協力し、試作車の開発に取り組んできました。

愛岐トンネル群は、1900(明治33)年に開通した名古屋-多治見間を走る旧国鉄中央線の運行のために建設されました。しかし、66(昭和41)年に列車の複線化と電化により旧中央線は廃線となり、トンネルは放置されたままとなりました。

現在、13基のトンネルがあり、愛岐トンネル群保存再生委員会がJR定光寺駅近くにある3~6号のトンネル4基を含むその周辺の土地を取得し、保全に努めています。4基のうちの「玉野第三隧道」「玉野第四隧道」「笠石洞暗渠」は、2016年に国の登録有形文化財に登録されました。


そのうちの5号トンネルにガイドレールを設置し、約3年間をかけて地域の産学と協力し開発した試作車を10月12日に走行させました。スピードや安定性などはイメージ通りの走行だったということです。

村上真善理事長はエコ通行システムの試乗を通じて、「トンネルを自転車で通り抜け、すばらしい地域の遺産について多くの人々が知る機会となってほしい」と呼びかけています。

NPO法人では、愛岐トンネル群を地域を代表する観光資源として活用しようとする取り組みを続けており、春と秋に開催する特別公開では計14日間で4万人を集めています。これまでにトンネル群を訪れた見学者は、今秋の特別公開で累計40万人にも上るということです。

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