イマドキの福袋は損しない!? 「元金担保型」のお得な福袋がトレンドに 中身も事前に公開してSNSの批判を回避
古くは江戸時代からあるといわれている福袋。年末になるとお得な商品を求めて探し回る人もいるのではないでしょうか。時代ごとに、少しずつ変化している福袋ですが、最近のトレンドは“元金担保型”のようです。
時代とともに変化していく福袋 “争奪戦”から“元金担保型”へ
みなさんは、福袋といえばどんな光景を思い浮かべますか?
1986年のお正月。名古屋の百貨店では、お札を握りしめたお客さんが、我先にと袋をつかんでいました。何が入っているのかワクワクしながら買い求めた人も多いのではないでしょうか。
時は流れて2000年代。福袋めがけて深夜から並ぶ人や、正月早々、店へ走る若者が続出しました。当時はファッションブランドの福袋が大人気で、催事場はお客さんでいっぱいに。中には、何個も購入する人も。お得な福袋を求めて、まさに争奪戦が繰り広げられていたのです。
ところが、2010年代後半になると、福袋の中身を事前にお披露目する店が増加。この背景について情報サイト「福袋カレンダー」を運営するMOMOTA(ももた)さんは、このように分析します。
情報サイト「福袋カレンダー」運営 MOMOTAさん:
「自分の思い通りの内容が入っていなかったら、それをSNSで思いっきりバッシングするわけですよ。そこから中身が見える福袋が徐々に増えてきました」
そして近年は“ネット予約”が当たり前。しかも、中身がかなりお得になっているようです。
例えば、ケンタッキーフライドチキンで12月23日から予約開始の3,000円の福袋は、なんと4,190円相当の商品引換券などがもらえます。さらに、何かの商品が無料になるおみくじも。
また、眼鏡を販売する「OWNDAYS」は、6,600円で1万円分の購入券が入っています。
なぜ、ここまでお得な福袋が増えたのでしょうか。
情報サイト「福袋カレンダー」運営 MOMOTAさん:
「ここ数年来、新しい福袋の形で“元金担保型”の福袋。必ず“損がない”。そこを利用しているのであればまず損がない。得しかない。そういった福袋が、今すごく力をつけています」
本格化する「福袋商戦」。今年はどんな商品が注目なのでしょうか。
福袋が進化中! お得すぎる中身は…?
時代とともに進化する福袋。SNSなどでの批判を避けるためもあり、2010年代後半から、中身を事前に公開する企業が増加しました。今では購入金額よりもいい商品が入っている、買う人は損をしない“元金担保型”が多くなっているようです。
焼き肉店「あみやき亭」の福袋は5,000円で購入することができますが、中身は「すぐ使える食事券1,000円分」「1月14日から使える4,000円分」「焼肉のタレ2本」など、総額1万円分の商品が入っています。
あみやき亭の担当者によると、「“お得感”が売りの店だから福袋もお得にしたかった。グッズでお得感を出すより、お店に来て食べてほしい」という思いから、お得な福袋を販売することにしたということです。
さらに、巨大な黒い段ボールに入った総重量7.5キロの、有楽製菓「ブラックサンダー福箱」は、参考小売価格の約30%オフとなる1万4,040円で販売。なんと数分で完売してしまう予想を超える人気となりました。
この福箱は、ブラックサンダー発売30周年の記念商品で、中身は地域限定商品を含む30種類のブラックサンダーや、非売品のクリアファイルなど、盛りだくさん!
有楽製菓の担当者は、「発売30周年でワクワク感のある商品を作りたかった。年末年始に家族や友人で集まるときに、みんなで楽しんでほしい」と話します。
お得な物からインパクトのある物までいろいろな商品がありますが、今後、福袋はどうなっていくのでしょうか。
MOMOTAさんは、中身がわかるお得感のある福袋にシークレット商品がついてくる「シークレット商品付福袋」が出てくると予想。損しない安心感と、ワクワク感を同時に楽しめる商品が、トレンドになっていくのではないかということです。
いろいろな企業やお店が工夫を凝らした福袋を出しています。自分にぴったりの福袋を探すのも楽しみの一つなのかもしれません。