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名古屋市のエスカレーター条例施行から1年 立ち止まって乗る人が増えた 筑波大学などの調査結果

2024年10月1日 2:15

 エスカレーターでの転倒事故などを防ぐのを目的に、エスカレーターに立ち止まって乗ることを義務づけた名古屋市の条例が2023年10月に施行されてから1年。条例に罰則規定はないものの、エスカレーターを歩いて利用する人は減少し、効果があったとみられることがわかりました。

 エスカレーターの利用について調査した筑波大学・水野智美准教授らによると、通勤・通学の利用者が多い大曽根駅では、立ち止まらずに歩いている人は、施行前の2023年8月に17.3%だったのが、施行直後の2023年10月には13.7%、1年後の2024年9月は10.5%だったということです。

 一方、名古屋市の条例に先立ち、埼玉県で同様の条例が2021年10月に施行されました。埼玉県内の大宮駅での調査では、歩く人の割合が施行前は62.0%だったのが3か月後は38.1%に減少。しかし、1年後には61.1%と施行前と同程度に戻り、効果の持続が課題となっているといいます。

 名古屋市では埼玉県の状況を受けて「右側にも立とう、両側に立とう」という具体的なメッセージが強調され、右側立ち、両側立ちが増えたことで、歩行の抑止効果になったとみられています。

 今回、調査した研究者は「学校で教えるなど、条例をさらに浸透させていくことで事故防止につながるのでは」としています。

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