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慣れ親しんだ”旧駅舎“との別れ…”新駅舎“開業の瞬間!「JR松山駅」激動の一日

2024年10月1日 17:00
慣れ親しんだ”旧駅舎“との別れ…”新駅舎“開業の瞬間!「JR松山駅」激動の一日

たくさんの人が待ち望んだ、新しいJR松山駅の開業。生まれ変わった駅舎に早朝から大勢の人が集まりました!そして愛媛のおいしい!を発信する新たな拠点、だんだん通りも大賑わい!その一方で、長年慣れ親しんできた駅舎との別れ…県都・松山の新たな顔、激動の1日です。

71年の歴史に幕 最終列車を待つ「旧駅舎」では

28日土曜日。最終列車の出発まで残り1時間を切った松山駅ではホームを埋め尽くすほどの人が訪れていました。電光掲示板やポスターなど駅舎の最後の姿をカメラにおさめようとシャッターを切る人たち。

松山市の女性:
「表示に出ていましたのでちゃんとご挨拶するんだなと思って撮ってました。感慨深いですね、やっぱりこの様子を目に焼き付けておこうかなと」

ちょうど71年前の1953年9月28日に営業を開始した2代目駅舎。

一日161本の列車が行き交う駅。午後10時46分発の八幡浜行きの列車で、その歴史に幕を下ろします。

西条から:
「きょうはお別れを言いにそしてありがとうを言いに来ました。このタイルを何度も通ったから解体するときにこのタイルだけでもくれんかなと思っちゃう」

男性:
「最後の日やけん現状を見たかった、さみしいですね。次の希望がありますけどね」

高松から:
「初めて社会人として四国に来たのが松山で本当に思い出深い駅で、ちょっと感動しすぎて言葉が出ない。新人の頃のことを思い出しながら写真撮っていました。ちょっとうるっと来ました」

71年間日常生活を、特別な旅を見守ってきた駅舎の最後に思いを馳せていました。

記者:
「JR松山駅の改札前です。最終列車を見届けようと、カメラを片手に多くの方が詰めかけています」

JR松山駅 野本明人駅長:
「さきほどこの2代目松山駅の最終列車が発車いたしました。71年間におよぶこの駅舎での鉄道営業を終了いたしました。大変さみしい気持ちもありますが、また同時に明日からの生まれ変わった新しい松山駅の歴史が始まることに胸が高まりますし、本当にわくわくしております」

歴代の駅長と松山駅ファンが見守る中…

「3、2、1…消灯!」(拍手)
「ありがとーーー!さようならー!!」

松山市の女性:
「松山駅が好きだったから長い歴史が終わったから悲しいなと思って。(宇和島の)おばあちゃん家に行くときによく使っていたので思い出のある場所なんです。ちょっと名残惜しいなと。レトロで好きなんですけど無くなってほしくなかった」

始発までの改札撤去&線路切り替え作業

午後11時すぎ。多くの人に見守られながら営業を終えた松山駅ですが、職員たちはここからがまた本番!あすの始発までに数々のミッションが待ち受けているのです。

ホームでは、新駅舎への通路を作るために改札の撤去作業。

さらに、松山駅から今治方面に1キロほど移動した線路上では。始発までの7時間にこれまで使っていた線路と新しく作られた高架用の線路をつなぎ合わせる工事が行われていました。

川添カメラマン:
「午後11時です。レールの切断作業が始まりました」

およそ100人の作業員が切断したレールをバールなどで2メートル離れた線路に連結させていきます。

この高架への切り替え工事は県内ではJR今治駅の高架切り替え以来、およそ30年ぶりとのこと。正確にそして、時間とも闘いながらレールが無事に連結。連結後はレールを支えるバラストと呼ばれる石を敷き詰め、押し固めていきます。

記者:
「午前2時を過ぎました。作業も大詰めです。レールのゆがみを直すなど最終調整をするための作業車がゆっくりゆっくりと松山駅方面に進んできました」

マルチプルタイタンパーという作業車がレールを持ち上げながらバラストを固め、安全に列車が通過できる線路に整えていきます。

JR四国 高原正樹 保線課長:
「軌道工事も始まって15年位になるがようやくこの日が来た。工事も順調に進んで無事に1番列車を迎えられるひとつの大きな区切りが入りそうだと少しほっとしている」

線路の切り替え工事。そして、旧駅舎には新駅舎につながる通路が一晩で完成。無事にミッション完了です。

一番列車を待ちわびる人たちは

記者:
「新しいJR松山駅のオープンまであと10分となりました。駅舎の前にはご覧のように長い行列ができています」

西口には一番列車を待ちわびるおよそ50人の列が出来ていました。

先頭の人(東京から):
Q.何時から並んでいる?
「午前3時から。一番になりたかったので。特急の一番列車それもグリーン車を取っている」

松山市から:
「午前4時半くらいに。私も好きだが子どももいきたいというので、せっかくなら一番列車みたいなと思って。今まで見慣れた駅舎がなくなるのはさみしいと思うが 新しいのも楽しみ」

そして空が徐々に明るくなり始めた午前5時半。夜明けとともに一番列車がホームへ。新駅舎での新しい1日がはじまりました。

商業エリア「だんだん通り」には17店舗が出店

一番列車の出発からおよそ3時間。松山駅の商業エリア「だんだん通り」では午前11時前のグランドオープンに向け最終準備が行われていました。

だんだん通りには松山で人気のコーヒー専門店や愛媛の名物グルメが味わえるフードコートなど17のテナントが出店し、愛媛ならではの食やグッズを楽しむことができます。

こちらは、は・か・た・の・しお♪でおなじみ、伯方塩業のコンセプトショップ「with salt」。だんだん通りへの出店が決まり、各部署が集まってプロジェクトチームを結成し準備を進めてきたといいます。

with salt木村洸希店長:
「今まで約半年間で準備をしてきたがお客さんに喜んでもらう、それだけを考えて立ち上げた店舗なので喜んでもらえたら何より」

木村店長も伯方の塩を作っていた、元 塩作り職人です。

木村洸希店長:
「いままでは(塩を)作ってお客さんのもとに届くというのは目の当たりにすることはなかったが、実際に店舗でお客さんと触れ合ったりすることができると思うので、愛媛の良さとかも伝えられるようなショップにできたらいいなと考えている」

with saltではこれまで、大三島工場でしか食べられなかった伯方の塩ソフトクリームのほか、伯方の塩を使ったビールや洋菓子などおよそ40点を販売します。

記者:
「間もなく新・JR松山駅の商業エリアがオープンします。こちらには、たくさんの人がそのオープンを待っている状況です」

行列は150人以上!

松山市内から:
「いつもだったら下を通っていたので電車が見えなかったが、(家の)窓から見えたので来てみようかなと」

松山市内から:
「すごい楽しみで子どもと来た。一生に一度あるかないかどうかなのですごい楽しみ」

新しい駅のコンコースにも人が溢れていました。

新JR松山駅グランドオープンの瞬間

午前11時前。

中村知事:
「本当に陸の玄関口にふさわしい空間としてさらなる松山市の発展に結び付けていただきますように心から期待をさせていただきたい」

野志市長:
「新しいJR松山駅、まさに松山の顔でございます」

そして新・JR松山駅がグランドオープンしました。

オープンを待ちわびた人たちでだんだん通りにも一気に人が!

松山市内から:
「こんだけ活気があったら嬉しくなる。色々な県や国からたくさんの人が来てくれて賑わったらいいなと思う」

香川県から:
Q今なにを買われた?
「フローズン、みかんフローズン。おいしいです。すごくきれいですね、前の古いのもそれなりに好きだったけど」

気温もオープンの熱気も相まって、冷たい商品の売れ行きも上々のようです。

ちゅうちゅうSHOP田那部大さん:
「僕たちが思っていたより松山の人が来てくれてすごくありがたいことだと思う。県外から来てくれた人ももちろんだが、地元の人にも来てもらえるような店にしたい」

そして、伯方の塩チームが手掛けた「with salt」は…

記者:
「まもなく開店から1時間が経とうとしているんですが、伯方塩業のショップにはこのようにたくさんの人が並んでいます」

松山市内から:
Qお目当ては?
「もう塩のそのままのガチの塩が欲しくて、早く塩が食べたくて汗かいているんですけど」

松山市内から:
「伯方の塩アイス。一回食べたことがあるがおいしかったので並んだ」

木村店長:
「想像以上の列ができてありがとうございます。もう本当にお客さん一人一人と 笑顔で接することを心がけています。県外から来られるお客さんもですが地元の人が集まりやすいような商業施設になればいいなと思っている」

松山市内から:
「電車利用以外にもここにきて食事とか買い物ができるかなと思った」

松前町から:
「色々な人の交流の場になってほしいなと」

71年ぶりに代替わりしたJR松山駅。愛媛の交通拠点として、また、にぎわいの創出の場として新たな時代の幕が開けました。

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