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中小河川に潜む豪雨時の氾濫や濁流の災害 日頃から災害に備える危機意識をもつことが重要な心構え 11月12日から愛知県が新たに235の中小河川を洪水浸水想定区域に指定

2024年11月14日 13:40
中小河川に潜む豪雨時の氾濫や濁流の災害 日頃から災害に備える危機意識をもつことが重要な心構え 11月12日から愛知県が新たに235の中小河川を洪水浸水想定区域に指定
中小河川にも氾濫の危険が

大きな一級河川だけでなく中小河川にも、大雨の際には氾濫の危険性が潜んでいます。愛知県は11月12日から、愛知県内にある235の中小河川について、1000年に1度の大雨が降った場合に氾濫の恐れがあるとして、新たに「洪水浸水想定区域」に指定しました。中小河川の近隣の住民は、災害に備える危機意識を常にもつことが重要といえます。

能登半島地震被災地の石川県を襲った今年9月の豪雨災害でも、中小河川が氾濫


今年9月、石川県を襲った豪雨災害。
輪島市久手川町では、町内を流れる塚田川が氾濫しました。普段は流れの緩やかな川が、豪雨ですっかり姿を変えてしまったのです。

中小河川の危険性が、改めて浮き彫りになりました。


珠洲市では川をあふれた濁流は仮設住宅を襲い、辺り一面が水たまりになっています。
    
動画を撮影した住民:「家にいて、そこの川が氾濫したと聞き、みんなで逃げました」


水が引いた後、その川を案内してもらいました。

仮設住宅に住む住民によると、「この川なんですけど今はずいぶん水かさが下がってますが、あふれた濁流が欄干にぶつかって氾濫しました」といいます。

川が氾濫した翌日でも濁った水が流れていましたが、普段は水の量も少なく非常に小さな川です。


こうした被害は東海地方でも発生していて、今年8月には岐阜県大垣市にある“中小河川”の杭瀬川が氾濫しました。

相次ぐ中小河川の氾濫に対して、愛知県では対策が進んでいます。

愛知県で進められている「洪水浸水想定区域」の指定


県の職員と向かったのは、豊田市などを流れる逢妻男川です。
    
愛知県河川課・下市幸平課長:
「一見穏やかで水も透き通っていますけど、流域に雨が降りますとそれが川に集まってきますので、場合によっては水があふれ出すという川になります」


愛知県は11月12日、新たに県内にある235の中小河川を1000年に1度クラスの大雨が降った場合、氾濫の恐れがあるとして「洪水浸水想定区域」に指定しました。

地域の西部を流れる逢妻女川と逢妻川は、比較的大きな河川のためにすでに洪水浸水想定区域に指定されていますが、中小河川の逢妻男川はこれまで指定されていませんでした。


近くに住む人に川の印象を聞いてみると……。

地域住民:
「ここはまだあふれたことはない。不安は抱えていますけどね」
「氾濫するほど大雨が降ったことはないです。ここは特に(堤防の高さを)上げたので、今は大丈夫だと思う」

愛知県河川課・下市幸平課長:
「気候変動ということで雨の降り方が激甚化、頻発化しています。洪水浸水想定区域に指定されていないことが、『安全』だと勘違いや誤解を招くおそれがあります」


その教訓の一つは、2000年に起きた「東海豪雨」です。
    
こちらは当時、境川流域を上空からとらえた画像です。
    
画面奥から下に伸びる境川は現在、すでに洪水浸水想定区域に指定されています。その一方、境川の支流である当時氾濫した皆瀬川は、これまで指定されていませんでした。

当時はハザードマップが存在しておらず、住民に氾濫の危険性を知らせる手段も限られていました。現在は洪水浸水想定区域に指定されると、市町村でハザードマップの作成が義務付けられています。


愛知県河川課・下市幸平課長:
「水害リスクや、浸水するかもしれない、川があふれるかもしれないという危機意識を常に持っていただきたいと思います」

私たちの身近にある中小河川には、災害の危険が潜んでいます。万が一のために日頃から備える意識が必要です。

最終更新日:2024年11月14日 13:40
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