学校給食で牛乳パックからの直飲みには抵抗感も⁉ 東三河では先行してストローレス仕様の牛乳パック導入 名古屋市の小・中学校で4月から提供開始

そのような状況において、市内のある小学校では、4月からのストローレス仕様の牛乳パック普及に伴い、「環境配慮の観点からストローを使用しないこととしますので、ご理解いただきたい」との通達を保護者に向けて発信しました。
その通達には「牛乳容器の変更に伴うコップの使用について」と追記があり、牛乳パックに口をつけて飲むことが困難である場合には、必要に応じて、ご家庭でコップをご用意いただいてもかまわない、という内容が書かれています。
合わせて、児童たち共用の手洗い場で使用後のコップを洗う行為について、「衛生面や食物アレルギー防止の観点からも適切ではないため、洗わずそのまま持ち帰らせます」と続いています。
使用済みのコップについては、通達によると「ご家庭で洗っていただき、ナフキンやはし等とともに、翌日持たせてください」ということです。
この通達に対し、該当の小学校に児童を通学させる保護者らの間では困惑が広がり、4月から「紙ストローや紙コップ、それらを捨てるためのビニール袋を子どもに持参させた方がいいのか」「この学校に子どもを通わせていたら、紙コップを持たせる選択をするかもしれない」などと相談し合っているといいます。
しかし豊橋市では、「学校給食の牛乳容器にストローレスを進めてはいるが、希望に応じて子どもたちにストローを配付している」と担当者は話します。パック容器からの直飲みに抵抗のある子どもについては、コップ持参を選び共用の洗い場で使用済みのそれを洗う行為も「それぞれの現場となる学校に判断を任せている」ということです。
豊橋市と同じ東三河地域の豊川市でも同様の対応で、ストロー使用、コップ持参と使用後の洗浄の是非に関しては、各学校の判断に委ねているといいます。
豊橋市の担当者は「ストローレスの牛乳パックを導入した当初は、容器からの直飲みに対して子どもたちや保護者に戸惑いが広がったのかもしれないが、しだいに慣れて牛乳びんから牛乳を飲む感覚と変わらなくなったのでは」と話しています。
他方、名古屋市では、これからのストローレスの牛乳パック容器の導入にあたり、基本的にはストローレス容器を推進していく前提の上で、「ストローレス容器でもストローが使える開け口があるのでストローを使う選択肢もある」としており、ストロー使用の可否については「学校の判断により、必要があれば事業者がストローを配付する」としています。
また、牛乳を飲む際のコップ使用に関しては「コップ持参のケースというのは少ないのではないか」ということです。
なお、愛知県下で給食牛乳のシェア約53%を占める中央製乳(豊橋市)によりますと、ストローレス容器での給食牛乳の供給は豊川、豊橋以南の東三河地域、岡崎市と西尾市以東の西三河地域、豊明市、名古屋市といいます。
一方、ストローレスではない容器での給食牛乳の供給は、上記以外の西三河地域の7市、東郷町、大府市と知多市と常滑市を除く知多地域7市町、大治町を除く海部地域の6市町村となっており、同社がシェアを占める地域でもストローレス容器ではない給食牛乳の供給エリアは多くあります。
愛知県内には、びんで給食牛乳を供給しているエリアとして新城以北の東三河地域があります。就学者が少なく供給量が多くない点、びんから紙パックへの切り替えに納入業者の設備投資負担が増す点、配送コストの負担増などの点から、従来からの牛乳びんでの給食牛乳の供給が継続されています。