捨てられるはずの“牛タン皮”が“犬のおやつ”に変身 地球も愛犬も喜ぶアップサイクル商品でSDGsに貢献 段ボール箱の製造業者が発案 愛知・碧南市
愛知県碧南市で段ボール箱の製造などを手がける鈴木紙器が、廃棄されていた牛タン皮を犬のおやつに再生した「愛犬のおやつ牛たん皮」を販売しています。
原料をそのまま乾燥させた無添加・無着色の商品で、1袋40g入り。カロリーは100gあたり435kcalで、賞味期限は18か月(1年半)となっています。硬さはありますが、1枚が薄いので犬は簡単にかみ切ることができ、大人の手で小さくちぎって与えることも可能です。
開発のきっかけは、段ボール箱を納入している精肉加工業者から「牛タンを加工するときに出る皮を毎月大量に廃棄しているので何かに活用できないか」と相談されたことだったと、同社の営業担当・角谷さんは話します。
角谷さんが犬を飼っていたことから、牛タンを原料にした犬のおやつがあることを思い出し、牛タンの皮でおやつを作ってみようと取引先のペットフード製造業者に相談して試作品を製作。愛犬に与えてみたところ喜んで食べたので、取引先である袋詰め業者の協力も得て商品化したということです。
2023年10月にパイロット版を作り、知人に手売りしたりマルシェで販売したりしながら、小型犬でも食べられるようにサイズを小さくするなどの改良を加え、2024年4月には正式に商品化。マルシェやアップサイクル関連のイベントを中心に、1年弱で約1000袋を販売しました。現在は、ペットフード製造業者がある愛知県武豊町のふるさと納税の返礼品にもなっています。
さまざまな業種と取引がある同社の強みを生かして生まれた「愛犬のおやつ牛たん皮」。今後の展開について角谷さんは「この1年間で市場のリサーチをしたり購入者から反応を聞いたりした。好評だったので、今年からは地元碧南市を中心に動物病院など販路を広げていきたい」と話しています。