“期待に応えられなかった” 「H3ロケット1号機」打ち上げ失敗 今後の宇宙開発に大きな課題
7日午前、鹿児島県の種子島宇宙センターで行われた「H3ロケット1号機」の打ち上げが失敗し、JAXA(=宇宙航空研究開発機構)は会見で、「期待に応えられなかった」と謝罪しました。JAXAは、去年10月に小型の固体ロケット・イプシロン6号機の打ち上げにも失敗していて、今後の宇宙開発に大きな課題を残す結果となりました。
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7日、鹿児島県の種子島宇宙センターで打ち上げの時を待つのは、日本の新型基幹ロケットH3ロケット1号機。午前10時37分、リフトオフし、白い煙をはきながらゆっくりと上昇していきました。宇宙に向けて飛び立ったH3ロケット1号機は、補助ロケットや1段目のエンジンなどを切り離しながら上昇。近くの公園では多くの人が集まり、ロケットの軌道を追っていました。
公園では「迫力があってすごかったです」という声が上がりましたが…プレスセンターでは、地上からの指令でロケットを爆破する「指令破壊」の信号を送ったというアナウンスが流れました。
JAXA担当者
「(第)2段の(エンジンの)着火が確認されていないという状況になっていた」
JAXAによると、打ち上げから約14分後の10時51分、2段目のエンジンへの着火が確認されず、ミッション達成の見込みがないと判断したため指令破壊信号を送信したということです。打ち上げは失敗しました。
公園で打ち上げの様子を見守っていた子どもは、「今回はいけるかと思ったけど、結構悲しいです」と話しました。
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H3ロケット1号機は先月17日、メインエンジンに着火後、電気的なノイズにより、補助ロケットに着火されず直前に打ち上げが中止されました。今回は再挑戦でしたが、打ち上げに失敗。7日午後2時すぎ、JAXAの会見では理事長が謝罪しました。
JAXA 山川宏理事長
「関係する皆様、多くの国民の皆様のご期待に応えられず、深くおわびを申し上げます」
JAXAは、去年10月に小型の固体ロケット・イプシロン6号機の打ち上げにも失敗していて、今後の宇宙開発に大きな課題を残す結果となりました。