【全文】H3ロケットの打ち上げ失敗を受け「引き続き打ち上げの成功に向け、取り組む必要がある」官房長官会見(3/7午後)
松野官房長官は、7日午後H3ロケットの打ち上げ失敗受けて「失敗を重く受け止め、文部科学省及びJAXAにおいて原因究明を早急に進めていく」と述べました。その上で「引き続きH3ロケット打ち上げの成功に向け、取り組む必要がある」とも述べました。
<会見トピックス>
▽H3ロケットの打ち上げ失敗
▽総務省の放送法に関する行政文書関連
〇松野官房長官
冒頭発言はございません。
――日本の新たな主力ロケットH3について。先日の中止に続き、今日の打ち上げも失敗しました。これからの日本の宇宙開発の切り札と位置付けられてきたが、受け止めと宇宙政策への影響と認識、今後の対応は。
〇松野官房長官
本日、H3ロケット試験機1号機の打ち上げが行われましたが、打ち上げ後、第2段エンジンが着火せず、所定の軌道に投入できる見込みがないことから、指令破壊信号が送出されたと聞いております。文部科学省において、永岡文部科学大臣の指示のもと、早急な原因究明を推進し、必要な対策を検討すべく速やかに対策本部を設置し、第1回の対策本部会合が開催されたと承知しています。 新型基幹ロケットとして開発を進めてきたH3ロケットの打ち上げが失敗となったことは大変遺憾であります。まずは速やかな状況確認が必要であり、今後の宇宙政策への影響に関して現時点では予断を持って申し上げられる状況にはないと考えています。H3ロケットについては、我が国の宇宙活動の自立性確保と、国際競争力強化のために重要な新たな基幹ロケットであります。引き続きH3ロケットの打ち上げの成功に向け、取り組む必要があると考えています。また、今回搭載されていた先進光学衛星「ALOS-3」通称だいち3号が打ち上がらなかったことの影響については、観測データを用いる研究や利用実証等を検討していた関係府省庁等を含め状況を確認し、今後の方策について検討を行う考えであります。いずれにしても、今般生じた打ち上げ失敗を重く受け止め、文部科学省及びJAXAにおいて原因究明を早急に進め、必要な対策を講じていきたいと考えています。
――立憲民主党の小西議員が公表した行政文書について質問します。松本大臣は中身について一部正確か確認できないものもあるというふうにしているが具体的にどの部分なのか把握していらっしゃるのでしょうか。お聞かせください。
〇松野官房長官
ご指摘の文書に記載されている内容については現在総務省において引き続き精査を行っているところと承知しています。
――高市経済安全保障担当大臣は本日の会見で、内容が不正確で、改めて「ねつ造」の認識を示しました。これまでも怪文書や、ねつ造でなかった場合の議員辞職にも言及していますが、こうした発言への受け止めと、政府への影響、閣僚の対応として適切だったかについて伺います。
〇松野官房長官
先ほど申し上げた通りでございますが、ご指摘の文書に記載されている内容については現在、総務省において引き続き精査を行っているところであり、コメントする事は差し控えさせていただきたいと思います。
――関連ですが、放送法4条についての解釈で、補充的説明ということで、当時、追加的な解釈が作成されたことになりますけれども、これについては有識者会議に諮るといったこともせずに進められて官邸主導だったという批判が今回出てるわけですけれども、この補充的説明というものの作成に至る経緯、プロセスは適正だったのか、ご認識をお願いします。
〇松野官房長官
放送法の解釈につきましては、放送法を所管する総務省において責任を持って整理し、補充的な説明を行ったものであって、従来の解釈を変更したものではないと聞いています。
――今回総務大臣は小西議員が発表した文書を行政文書だと認めつつも、正確性の確認が取れてないという認識を午前の会見で示していた。一方で行政文書が正確ではないということになれば行政そのものへの信頼に疑義が生じるといったことも考えられますけれども、こうした事態について政府はどういうふうにお考えなんでしょうか。
〇松野官房長官
まず繰り返しになりますけれども、ご指摘の文書に記載されている内容については現在総務省において引き続き精査を行っているところであり、コメントすることは差し控えたいと思います。なお、文書の正確性の確保は各行政機関において責任を持って適切に行われるべきものであり、まずは総務省において説明されるべきものと承知しています。
――ロケットについて伺います。ビジネスに限らず今回の失敗ということは安全保障を含めて非常に大きな影響が懸念されます。原因はおっしゃった通り、JAXA等によって解明がなされると思いますけれども、一方で機体の組み立ての施設であるとか、発射場・保管場所の拡充といったインフラ整備は、政府が同時に進めていくべきものと、課題も多いと思います。そういった中で、こういうインフラ整備についてどう向き合っていかれるのか、取り組まれていくのか、政府としての考えをお聞かせ下さい。
〇松野官房長官
いずれにいたしましても、まずは、今般生じた打ち上げ失敗を受け止め、文部科学省およびJAXAにおいて、原因究明を早急に進め、必要な対策を講じていただきたいと考えております。詳細につきましては文部科学省にお尋ねいただきたいと思います。
――各国が競争を激しくする宇宙分野で、インフラの整備ってのは非常に大事だというのは、長官も当然ご承知だと思うんですけど、その点についてお伺いしたいと思います。
〇松野官房長官
これも先ほど申し上げましたけれども、H3ロケットにつきましては、我が国の宇宙活動の自立性確保と国際競争力強化のために重要な新たな基幹ロケットであります。引き続きH3ロケット打ち上げの成功に向け、取り組む必要があると考えております。
――インフラ整備も含めてということでよろしいですか。
〇松野官房長官
詳細につきましては文部科学省にお尋ねをいただきたいと思います。