【全文】五輪談合事件「スポーツの価値を大きくおとしめる」官房長官会見(2/28午前)
松野官房長官は、28日、東京オリンピックパラリンピックをめぐる談合事件について、「仮に不正があったとすれば、誠に遺憾と考えており、スポーツの価値を大きくおとしめる」と述べました。
<会見トピックス>
▽閣議概要
▽ロシアへの追加制裁
▽五輪談合事件
▽林外務大臣の出張の関連
○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。一般案件等11件、法律案、政令、人事が決定されました。大臣発言として、高市大臣から原子力委員会の原子力利用に関する基本的考え方に関する対処方針について、外務大臣からロシア連邦関係者に対する資産凍結等の措置等について。厚生労働大臣から令和4年度自殺対策強化月間の実施について、それぞれご発言がありました。 私からは以上です 。
――ロシアへの制裁について伺います。今回了解された具体的な内容と狙い、今後の措置のあり方について伺います。また、アメリカはヨーロッパやアジアの個人なども追加制裁対象としたほか、中国の企業も輸出規制対象に加える方針です。日本としても、第三国関係への制裁も検討しているのかお聞きします。
○松野官房長官
ロシアによるウクライナ侵略の開始から1年となる2月24日、本年のG7議長国である我が国の呼びかけによりG7首脳テレビ会議が行われ、岸田総理から厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援といった具体的な取り組みを通じ、ロシアに侵略をやめさせ、法の支配に基づく国際秩序を堅持するというG7の確固たる決意を示して行く旨強調しました。また、岸田総理は、新たな対露制裁として、ロシアの個人・団体への資産凍結、輸出禁止団体の追加、ドローン関連物品等ロシアの産業基盤強化にする物品への輸出禁止の拡大、ロシアの金融機関への資産凍結、これらの内容とする措置を講じることを決定したことを表明し、支持を得たところであります。これを受けて我が国として本日必要な閣議了解を行いました。また、ご指摘の第三国関係者への制裁に関する今後の我が国の対応について、余談することは差し控えたいと思いますが、先日のG7首脳声明でも、第三国等に対しロシアへの支援を停止するよう求めたところであります。我が国としては引き続き関連情報の収集・分析を行うとともに、G7をはじめとする関係国と緊密に連携しつつ、適切に対応していく考えであります。
――東京オリパラの談合事件について伺います。今回の談合事件で公正取引委員会は28日、独禁法違反の疑いで電通や博報堂など6社の他、大会組織委員会大会運営局の元次長らを検事総長に刑事告発する方針です。確実な大会運営のために経験豊富な業者選定を図った構造的な問題が談合事件に繋がったとも指摘されていますが、受け止め、今後の各種大会の運営改善に向けた対応について伺います。
○松野官房長官
公正取引委員会が本日、告発を行うとの報道は承知しています。その上で、東京大会を巡る入札について、仮に不正があったとすれば、誠に遺憾と考えており、オリンピック・パラリンピック競技大会をはじめ、スポーツの価値を大きくおとしめると考えています。現在、スポーツ庁等が設置したプロジェクトチームにおいて組織委員会の元職員からのヒアリングや東京都の契約手続き等に関する調査の状況報告などを通じて、大会組織委員会のガバナンスの実情や課題を把握するとともに、海外の事例も参考にして、調査分析を行い、今月10日に再発防止の観点から、今後の大会運営のための指針案を公表したものと承知しています。今後スポーツ庁において、スポーツ界や経済界から幅広い意見を聴取して、さらに内容を充実し、3月中に指針を策定する予定であり、今後の大会運営に生かしていくものと承知しています。
――林外務大臣の出張の関連。林大臣は3月1日からインドで開かれるG20外相会合への出張が、参院予算委員会出席のために難しい状況というふうに報じられています。副大臣が十分に活用されないまま、慣例として閣僚の国会出席が義務付けられている場面が未だに多いですけれども、こうした状況への受け止め、見解があればお願いします。
○松野官房長官
ご指摘のG20外相会合への日本政府からの出席者については、諸般の事情を踏まえつつ最終調整中でありますが、現時点で確定していません。いずれにせよ、今般のG20外相会合の場においては、G7議長国としての立場を含め、我が国の主張はしっかりと発信する考えであります。