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【全文】「拉致被害者の帰国実現に向け、全力で果断に行動する」官房長官会見(2/27午前)

2023年2月27日 14:38
【全文】「拉致被害者の帰国実現に向け、全力で果断に行動する」官房長官会見(2/27午前)

松野官房長官は、27日、北朝鮮による拉致被害者家族会が、新たな運動方針を決定したことを受け、「拉致問題は時間的制約のある人道問題。全ての拉致被害者の1日も早い帰国実現に向け、引き続き全力で果断に行動していく考え」と述べました。

<会見トピックス>
▽北朝鮮拉致被害者の家族会の金総書記宛の新たなメッセージ
▽EUの欧州委員会の公用端末でTikTokの使用禁止

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――北朝鮮拉致被害者の家族会が発表した金総書記宛の新たなメッセージについてうかがう。関係者の高齢化が進む中、人道支援を行うことに反対しないと初めて明記しまして、政府の取り組みと北朝鮮側の決断を強く促した形です。受け止めをお聞きします。また、拉致問題を巡っては政府も去年から、時間的制約のある人道問題だとの認識を強調していますけれども、人道支援の考え方を含め、今後の対応を伺います。

○松野官房長官
昨日、家族会・救う会合同会議が開催され、今後の運動方針が決定されたものと承知しています。また平成31年、令和3年に続き、家族会・救う会から北朝鮮指導者への3回目のメッセージが決定されたものと承知をしております。拉致問題の解決に向けたご家族や救う会の方々の強い思いの表れと受け止めています。ご指摘の人道支援を含め、北朝鮮への対応については、拉致・核・ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けて、何が最も効果的かという観点から、あらゆる選択肢を排除せず、不断に検討を行ってきており、今後も検討していきます。拉致問題は時間的制約のある人道問題であります。全ての拉致被害者の1日も早い帰国実現に向け、引き続き全力で果断に行動してまいる考えであります。

――EUの欧州委員会が23日に職員の公用端末などで短編動画投稿アプリTikTokの使用を禁止する方針を明らかにしました。米国では昨年12月に成立した2023年会計年度本予算で政府関係の端末で使用を禁止する規定が盛り込まれるなど、TikTokを巡っては安全保障上のリスクを警戒し、各国で規制の動きが広がっています。こうしたことに関する所見と、日本政府においては公用端末でのTikTokの使用を禁止するなどの対応は行っているのか教えて下さい。

○松野官房長官
欧州委員会や米国をはじめ海外の状況については平素から把握していますが、海外の政府機関等の対応についてコメントすることは差し控えたいと思います。我が国においては、政府端末で要機密情報を取り扱う場合には基準によりTikTokをはじめとするSNSなど外部サービスを利用することはできません。合わせて広報に利用するなど、要機密情報を取り扱わない場合であっても、様々なリスクを十分踏まえた上で利用の可否を判断することとしています。その際に考慮すべきリスクについてはガイドラインで例示するとともに当該リスクに基づき、講ずべき必要な措置について内閣サイバーセキュリティセンターに助言を求める仕組みを設けています。各省庁においてはこれを踏まえて適切に対応しています。

――関連しまして今のお答えの中に回答があるかもしれませんが、EUの欧州委員会ではですね、TikTok使用の禁止の理由をサイバーセキュリティーの強化と述べておりますけれども、事実上、中国への情報流出懸念を念頭に置いた対応との指摘があります。欧州委員会はTikTokを含め、他のソーシャルメディアプラットフォームにつきましてもセキュリティの検証を行っていくとしていますが、日本政府においては、同様の検証の必要性についてはどうお考えなのか、あるいはもう既にやっているということか。

○松野官房長官
先ほど申し上げた基準や助言の仕組みは、特定の国へ企業の製品サービスを排除するものではありませんが、TikTok以外のSNSも含めて、我が国の政府機関等におけるサイバーセキュリティの確保の観点から措置を講じているものであります。我が国においてはこれを踏まえて、各省庁が適切に対応しています。いずれにせよ、引き続き、サイバーセキュリティの確保に万全を期すため、必要な対策を推進していく考えであります。