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【全文】北朝鮮の軍事パレード「米国、韓国などと連携しながら警戒監視に全力を挙げていく」官房長官会見(2/9午後)

2023年2月9日 17:40
【全文】北朝鮮の軍事パレード「米国、韓国などと連携しながら警戒監視に全力を挙げていく」官房長官会見(2/9午後)

松野官房長官は9日午後、昨夜、北朝鮮の軍創設75年の節目に合わせて実施され大規模軍事パレードについて「引き続き米国、韓国等と連携しながら、情報の収集分析・警戒監視に全力を挙げていく」と考えを示しました。

<会見トピックス>
▽北朝鮮の大規模軍事パレード
▽原子力政策▽防衛政策の関連
▽豪国防省内の監視技術の調査
〇松野官房長官冒頭発言はございません。

――北朝鮮の大規模軍事パレードについて伺います。昨夜、軍の創設75年の節目に合わせて実施され、核ミサイル開発に拍車をかける姿勢を誇示しました。公開写真からは新型ミサイルが確認でき、初の固体燃料式のICBMの可能性もあるとの見方も出ておりますけれども、分析状況と見解、今後の対応を伺います。

〇松野官房長官
北朝鮮の発表によれば、北朝鮮が昨日、軍事パレードを実施したことは承知しています。今回の軍事パレードを含め北朝鮮の軍事動向については、政府として平素から重大な関心を持って情報収集・分析に努めていますが、個々の具体的な情報の内容についてお答えすることは差し控えさせていただきます。その上で申し上げれば、北朝鮮は一貫して核ミサイル能力を強化していく姿勢を示しており、今後も各種ミサイルの発射や核実験の実施など、さらなる挑発行為に出てくる可能性があると考えられます。政府としては引き続き米国、韓国等とも緊密に連携しながら、必要な情報の収集分析および警戒監視に全力を挙げていく考えであります。

――原子力政策について。昨日の原子力規制委員会で石渡明委員が、原発の運転期間の延長に反対し、方針の決定が先送りとなりました。政府の受け止めをお願いします。また、明日にもある「GX推進法案」の閣議決定への影響はどのように考えていますでしょうか。

〇松野官房長官
原子力規制委員会において、昨日運転期間についての議論が行われ、一部の委員の反対があったと承知しています。原子力を利用していく上で安全規制のあり方については、引き続き原子力規制委員会において議論が継続されると承知しており、その議論を見守りたいと思います。GX推進法案については、GX経済移行債の発行や成長志向型カーボンプライシングの導入に必要となる法制的な措置を講じるものであり、速やかに閣議決定を目指したいと考えております。

――防衛政策の関連で伺います。沖縄県の玉城知事は、昨日、県内のシンポジウムで、反撃能力に言及し、長距離ミサイルの沖縄配備について「憲法の精神とは違う。明確に反対する」と述べました。知事の反体姿勢は、政府の防衛戦略に影響を与えるのか?また政府はどう理解を得るのかお尋ねします。

〇松野官房長官
防衛省では、各種スタンドオフミサイルを導入することとしていますが、具体的な配備先は決定してないと承知をしております。その上で申し上げると、南西地域の防衛態勢の強化は、喫緊の課題であり、力による現状変更を許容しないとの我が国の意思を示し、島しょ部を含む南西地域への攻撃に対する抑止力、対処力を高めることで、我が国への攻撃の可能性を低下させるものであり、沖縄県民ひいては我が国、国民の安全安心に繋がるものであると考えています。厳しい安全保障環境や沖縄の戦略的重要性、3文書の考え方について、丁寧に、沖縄県に説明していくことが重要だと考えています。

――日本の官庁などで使われている監視技術に関しての質問です。オーストラリアのマールズ国防大臣が9日、国防省内で使用されている監視技術を調査すると発表しました。国防省内に設置された中国製の監視カメラは安全上のリスクになっているという指摘を受けてのことですが、日本の首相官邸や各省庁で使われている監視カメラに中国製のものがあるのかお伺いします。また政府として、官庁の監視カメラに関する調査や中国製だった場合の対処について指示する考えはあるかもあわせてお伺いします。

〇松野官房長官
我が国政府として特定の国や企業の製品を一律に排除するような取り組みは行っていません。他方、情報の窃取、破壊、情報システムの停止等、悪意ある機能が組み込まれる恐れもある等、いわゆるサプライチェーンリスクに対処することは重要であると認識しています。具体的には政府機関等のIT調達におけるサプライチェーンリスクに対応するため、特に防護すべきシステムとその調達手続きを明確化した申し合わせを行い、取り組みの強化を図っているところであります。この対象には監視カメラも含まれています。各省庁においては、これを踏まえて適切に対応しているものと認識しています。