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【全文】憲法解釈「同性婚を認めることは想定されていない」官房長官会見(2/8午後)

2023年2月8日 18:10
【全文】憲法解釈「同性婚を認めることは想定されていない」官房長官会見(2/8午後)

松野官房長官は8日午後、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立すると規定する憲法24条の解釈について「同性婚制度を認めることは想定されていないものと承知している」との考えを示しました。その上で、「憲法第24条が、同性婚制度の導入を禁止しているのか、許容しているかについて、特定の立場に立っているわけではない」と述べました。

<会見トピックス>
▽日米豪印サイバーチャレンジに関する共同声明を発出
▽五輪談合事件
▽同性婚と憲法24条
▽ウクライナ情勢
▽中国の偵察気球

○松野官房長官
米国時間で2月7日、日米豪印4か国は、サイバーセキュリティに関する啓発キャンペーンである日米豪印サイバーチャレンジに関する共同声明を発出しました。
現在2月1日から3月18日まで、サイバーセキュリティ月間を実施しているところですが、この取り組みは、4か国の日米豪印サイバーチャレンジの一環と位置付けているものです。
引き続きサイバーセキュリティは全員参加をキーワードに国際的な取り組みとも密接に連携して啓発活動に取り組んでまいりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。私からは以上です。

――東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会に関連する談合事件について伺います。東京地検特捜部は独禁法違反の疑いで大会組織委の元次長を逮捕しました。汚職事件に続く、組織の当時の幹部の逮捕となりましたが、受け止めと組織のガバナンスなどの検証の必要性、札幌市などが目指す2030年大会招致への影響について見解を伺います。

○松野官房長官
個別事件における捜査の具体的内容について、政府として申し上げることは差し控えたいと思います。その上で、東京大会のテスト大会を巡る入札について、仮に不正があったとすれば誠に遺憾と考えています。現在、スポーツ庁等が設置したプロジェクトチームにおいて、大会組織委員会の元職員へのヒアリングや海外の事例等を通じて、ガバナンス体制や情報公開のあり方について検討しており、今後の大規模な国際大会の運営の透明化、公正化を図るための指針を策定していくものと承知をしています。
また、2030年の冬季大会の招致については、プロジェクトで取りまとめる指針を参考にして、今後札幌市とJOCが必要な検討を行い、札幌市民をはじめ、国民の皆様の支持を得られるよう丁寧に説明していくことが大切だと考えます。

――同性婚について伺います。前任の菅総理やその前の安倍総理は憲法第24条は婚姻は両性の合意のみに基づいて成立すると定めており、現行憲法のもとでは同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されていないと国会で答弁されています。岸田内閣もこの同様の見解を維持されているのでしょうか。また、現行憲法は同性婚を想定しておらず、同性婚を実現する手続きとしては憲法改正をする必要があるとのご見解なのか、お願いします。

○松野官房長官
憲法第24条第1項は、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立すると規定しており、当事者双方の性別が同一である婚姻の成立、すなわち、同性婚制度を認めることは想定されていないものと承知しています。現在、政府においては、この想定されていないということを超えて憲法第24条第1項が 同性婚制度の導入を禁止しているのか、あるいは許容しているかについて、特定の立場に立っているわけではありません。

――ロシア軍がウクライナへの侵攻を始めてから1年となる24日に先立ちまして、東部ドンバス地方の全域制圧に向けた大規模攻撃が始まるとの見方が強まっているとの指摘が多いわけですが、G7などの中で、こうした懸念は共有されているのか、また実際そのようになってしまった場合、被害が拡大する可能性もあるわけですが、そうした可能性を視野に入れた日本の対応も検討されているんでしょうか?

○松野官房長官
戦況については様々な情報があり、確定的な評価や予測を申し上げることは差し控えたいと思います。その上で、我が国としてはロシアに一刻も早く侵略を止めさせるためには、国際社会が結束して強力な対露制裁措置を講じつつ、ロシアに侵略されているウクライナを支援していくことが必要との考えのもと、これまでG7や同志国との間で緊密に連携してきています。日本としては本年のG7議長国としてリーダーシップを発揮しつつ、引き続きG7をはじめとする国際社会と緊密に連携しながら、強力な対露制裁措置とウクライナ支援を推進していく考えであります。

――米国の政府高官と外交筋によると、米国が6日から7日にかけて、1月下旬に米国領空に侵入した中国の偵察気球について、40か国の外交官150人に情報提供説明を行ったと伝えられております。日本は説明を受けたんでしょうか。また2020年6月に仙台市、2021年9月に八戸市上空で確認されたものと酷似しているが、今回のことで、米国から情報提供を求められたのか、さらに、日本から米国に対して当時の情報を提供するのか。

○松野官房長官
ご指摘の報道は承知しており、また米国とは本件を含め、平素から様々なやり取りを行っていますが、それらの外交上のやり取りの詳細についてお答えすることは差し控えさせていただきます。