【全文】日中外相電話会談「良いスタートになったと評価」 官房長官会見(2/3午前)
松野官房長官は3日午前、中国の秦剛外相の就任以来はじめて行われた日中外相の電話会談について「今後、外相間で様々な対話、意思疎通を行っていく上で、良いスタートになったと評価している」と述べました。
<会見トピックス>
▽閣議の概要
▽広域強盗にかかる強制送還
▽日中外相電話会談
▽岸前防衛大臣
▽児童手当所得制限の撤廃
▽韓国・尹大統領訪日報道
○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。国会提出案件6件、法律案、政令、人事が決定されました。大臣発言として、岡田大臣から、北方領土の日についてご発言がありました。岸田総理は諸般の事情が許せば、明日4日に石川県および福井県を訪問する予定です。具体的には、石川県では、株式会社小松製作所を訪問し、企業による子育て支援等についての意見交換を行います。福井県では、永平寺町において今年からレベル4での運行を予定している自動運転車両に試乗し、坂井市において子供の居場所や学びの場として多く利用されているエンゼルランド福井を訪問します。ここでは、総理自身が子供・子育ての当事者である保護者等の意見をお伺いする場として子供政策対話を行う予定であります。また馳知事、杉本知事から大雪の被害状況の説明も受けます。詳細は内閣官房および経済産業省にお尋ねください。私からは以上です。
――広域強盗にかかる強制送還について。フィリピンのレムリヤ法務大臣は、日本が広域強盗事件に絡み強制送還を求めている容疑者4人のうち、2人を先行して送還する可能性があるとの認識を示しました。残り2人については刑事裁判の係争中であり、法的障害が残っているためとみられます。日本としては従来通り4人の一斉送還を求めていくのかも含め、現在の調整状況、今後の対応について伺います。
○松野官房長官
日フィリピン両国の当局間で必要な連絡調整を行っているものと承知していますが、捜査中の事案であり、お答えを差し控えさせていただきます。
――日中関係について伺います。林外相は中国の秦外相と初めて電話会談しました。評価を伺います。また、会談で中国はコロナの水際措置の緩和を求めました。中国政府は感染状況はひくい状況に入ってるとして、台湾は一部の措置を緩和していますけれど、中国の感染状況についての認識と、緩和を近く検討することになるかお聞きします。
○松野官房長官
昨日、林外務大臣は、秦剛外交部長との間で、約50分間電話会談を行いました。秦部長の就任以降、初の外相間の意思疎通の機会であり、林大臣から、日中両首脳間の重要な共通認識である建設的かつ、安定的な関係の構築という、大きな方向性の実現のために連携していきたい旨述べ、同部長からも同様の考えが示されました。今後、外相間で様々な対話、意思疎通を行っていく上で、良いスタートになったと評価しています。
水際措置について申し上げれば、中国の感染状況について、政府としても鋭意情報収集をしております。12月下旬をピークに、以降は減少傾向にあるとのデータも中国側から発表される中で、主に農村部における重症化リスクの高い人々への感染拡大について懸念もあると承知をしており、引き続き注視が必要な状況と考えています。昨日の外相電話会談では、中国側から日本側の水際対策緩和について言及があり、林大臣から、我が方の立場について説明しました。当面、現在の措置を行いながら、中国の感染状況等を見つつ、柔軟に対応していく考えです。
――岸前防衛大臣が昨日の派閥の会合で、議員辞職をすることを明らかにしましたが、このことに対する受け止めと、補佐官の職について本人から辞任の申し出などがあったかどうか教えてください。
○松野官房長官
昨日、岸総理補佐官が派閥の会合で議員辞職をする予定である旨、表明されたことは承知していますが、既に国会に対し議員辞職の申し出が出されたかどうかについては承知していません。また、現時点で総理補佐官の職についての辞職の申し出はないと承知しています。
――児童手当の所得制限撤廃について伺います。政府が昨日、所得制限の撤廃で調整に入り支給対象の引き上げの考えとともに、小倉こども政策担当大臣が公明党幹部に伝えたと一部報道があります。事実関係について伺います。
○松野官房長官
ご指摘の報道は承知していますが、児童手当を含め子ども・子育て政策の強化について現時点で政府として何らかの方針を決定した事実はなく、小倉大臣がご指摘の内容を公明党幹部に伝えたという事実もないと聞いています。子ども政策の強化については、引き続き小倉大臣のもとで関係府省会議において検討を進め、3月末を目途に具体的なたたき台を取りまとめていくものと承知しています。
――日韓関係について伺います。韓国の一部メディアが現大統領が 3 月に開かれるワールドベースボールクラシックに合わせ来日し、岸田総理と日韓戦を観戦する案があるなどと報じました。現在、当該記事は閲覧できない状態となっていますが、この報道の事実関係と徴用工訴訟問題の解決策については、両国局長間で議論が進んでおりますが、このタイミングでの尹統領訪日の意義をどのように考えているか伺います。
○松野官房長官
ご指摘のような計画があるとの事実はありません。報道の一つ一つにコメントすることは差し控えたいと思いますが、昨年 11 月の日韓首脳会談において両首脳が日韓間の懸案の早期解決を図ることで改めて一致したことを受け、外交当局間の協議を加速してきています。
先月は2度の局長協議を実施し、旧朝鮮半島出身労働者問題を含め、日韓関係全般について率直な意見交換を行い、懸案を解決して日韓関係を健全な関係に戻し、更に発展させるべく意思疎通を継続していくことで改めて一致しました。
1965 年の国交正常回以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な形に戻し、更に発展させていくため、韓国政府と緊密に意思疎通をしていく考えであります。