【全文】岸田総理は明日鼻の内視鏡手術へ 官房長官会見(2/10午前)
官房長官は10日午前、岸田総理が慢性的な副鼻腔炎等の治療のため、鼻の内視鏡手術を受けると明らかにしました。
<会見トピックス>
▽閣議の概要:岸田総理が手術 高レベル放射性廃棄物の最終処分
▽総理の臨時代理
▽GX推進法案
▽高レベル放射性廃棄物の最終処分場
▽アメリカ巨大IT企業が運営するサービスを規制検討報道
▽総理の手術の時間帯
▽新型コロナワクチン
▽ロシアへの制裁関連
○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。一般案件等3件、法律案、人事が決定されました。大臣発言として、西村康稔大臣からGX実現に向けた基本方針および脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案について、総務大臣から日本放送協会令和5年度収支予算、事業計画および資金計画並びに総務大臣の意見について、それぞれご発言があり、私から最終処分関係閣僚会議の開催についての一部改正について申し上げました。
岸田総理は慢性的な鼻づまり等の症状の原因となっていた鼻茸(はなたけ=鼻ポリープ)を伴う慢性で副鼻腔炎等に対処するため、明日、都内の病院において内視鏡による手術を受ける予定です。総理は手術を受けた後、その日のうちに帰宅され、週明け13日から登庁される予定であります。なお、明日の手術は全身麻酔下で行われるため、その時間帯は私が総理の臨時代理として職務にあたることになります。
次に、本日の閣議後に最終処分関係閣僚会議を開催いたしました。高レベル放射性廃棄物の最終処分の実現に向けた政府を挙げた取り組みの強化策について、特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針の改定案という形で取りまとめましたので、今後、パブリックコメントを通じて国民の皆様から広くご意見をいただきたいと考えています。経済産業省において説明があると聞いておりますので詳細はそちらでお聞きください。私からは以上です。
――冒頭紹介のありました岸田総理の手術について伺います。総理の病状が深刻なものではないのか、今後の治療予定を含めお聞きします。また全身麻酔という話もありましたけれども、今回なぜ臨時代理を置く必要があるのか、長官が臨時代理を務めている間の危機管理対応もあわせてお聞きします。
○松野官房長官
総理の病状については、慢性的な鼻詰まり等の症状があり、今後の公務に支障をきたさないよう処置を受けるものであります。術後は検査のため複数回通院することになると聞いています。臨時代理については、内閣法第9条において、総理に事故のあるとき等は、あらかじめ指定する大臣が臨時にその職務を行うこととされており、この事故のあるときとは、総理としての職務を全般的に行うことができない状態が一時的に生じたときを指すものと解されています。今回の総理の手術は全身麻酔下で行うものであり、これに当たるものと考えられますので、内閣法の規定に基づき、その時間帯はあらかじめ指定されている臨時代理の第1順位である私が総理の職務を行うことになります。危機管理対応も含め業務継続には万全を期してまいりたいと考えております。
――GX推進法案について。先ほどの閣議でGX推進法案に閣議決定されたと思いますが、改めてこの法案の意義と今後国会でどのような議論を期待するのか伺います。
○松野官房長官
本法案は経済成長と二酸化炭素の排出削減を共に達成していく観点から、今後10年間で150兆円を超える官民協調でのGX投資を実現するため、GX経済移行債の発行や成長志向型カーボンプライシングの導入等に必要な法制上の措置を講じるものであります。国会では法案も含めて、エネルギー安定供給の確保を含むGX推進のために必要な方策について、ぜひ前向きにご議論いただきたいと思います。
――冒頭紹介のあった高レベル放射性廃棄物の最終処分場について伺います。関係閣僚会議では取り組み強化策が議論されましたが、今後、国やNUMO、電力会社が応募自治体を増やすために自治体を回る方針とのことですが、現在すでに名乗りを上げている寿都町と神恵内村以外の北海道の自治体も対象となるのでしょうか。その際、現時点で処分場受け入れに反対の意向を示している鈴木直道知事と意見交換をする考えがあるのかも伺います。
○松野官房長官
今回の基本方針は、原子力に対する国民の皆様の懸念の一つが、最終処分場が決まっていないことをしっかりと認識した上で、国が政府一丸となって、かつ政府の責任で最終処分に向けて取り組んでいくべく、改定したものであります。最終処分の実現に向け、北海道の寿都町と神恵内村以外にも、文献調査実施地域を拡大することを目指しており、特定の地域に限らず広く取り組むこととなりますが、いずれの取り組みも、地域の理解を得ながら進めることが大前提であります。ご質問の件も含め、今回の基本方針に掲げた、それぞれの取り組みの具体の進め方については、経済産業省において検討しています。今後パブリックコメントを通じて、国民の皆様から広くご意見をいただき、基本方針の改定を進めるとともに、取り組みの具体化を図ってまいりたいと考えています。
――政府がアプリストアなどスマートフォン上で、アメリカ巨大IT企業が運営するサービスについて、新しい法律で規制する検討に入ったとの一部報道があります。検討状況とサービスがアップルとグーグルの寡占状態となっていることへの政府の現状認識について伺います。
○松野官房長官
スマートフォンが広く普及する中、モバイルOS等から成り立つモバイルエコシステムは経済社会のインフラとして必須の役割を果たしている一方、少数のプラットフォーム事業者による寡占やルール設定などを通じた影響力を背景とした様々な競争上の懸念も指摘されています。こうしたことから、2月9日に公正取引委員会が、スマートフォンのモバイルOSやアプリストアを対象としたモバイルOS等に関する実態調査報告書を公表したところであります。モバイルエコシステムを巡るルールのあり方については、デジタル市場競争会議において検討を行ってきたところであり、今後、公正取引委員会の調査結果も踏まえ、さらに検討を深めていきたいと考えております。
――総理の手術の関係で伺います。官房長官が総理の臨時代理を務める総理の全身麻酔下にある時間帯というのは具体的には何時から何時まででしょうか。あらかじめ決められているんでしょうか。
○松野官房長官
医療上のことでございますので、私が詳細承知をしておりません。
――明日 1 日総理の臨時代理は官房長官が務めるという理解でいいのか?
○松野官房長官
全身麻酔を行っている最中は私が臨時代理を務めるということでございます。
――新型コロナワクチンについて伺います。厚生労働省の専門部会は8日、4月以降は原則年に1回、秋から冬にかけてワクチンを接種するとの方針をまとめました。 政府としては、この方針をいつ頃、正式決定し、国民にどのように周知していくのかお尋ねします。 また、公費負担による無料接種の期限は3月末までとなっていますが、4月以降も継続するのか、現在の検討状況は。
○松野官房長官
新型コロナワクチンについては、2月8日の厚生労働省の部会において、4月以降の接種における対象者、接種、スケジュール等に関する取りまとめを行ったところでございます。今後、厚生労働省の分科会でさらに議論し、3月上旬までに最終的な結論を得ることとしています。これを踏まえ、接種が必要な対象者については、4月以降も引き続き、自己負担なく受けられるようにしていくこととしています。こうした全体の姿について、結論が得られ次第、速やかに自治体や国民の皆様に対して様々な媒体を通じて考え方を説明してまいりたいと考えております。
――ロシアへの制裁関連で。G7がロシアへの軍事支援を理由として中国、北朝鮮、イランの企業に対する制裁拡大を検討しているとの一部報道があるが検討状況を伺う。かねてから制裁逃れは指摘されているがそれに対応する必要性について政府の認識を。
○松野官房長官
ご指摘の報道は承知をしています。G7首脳会合ではロシアが一刻も早く侵略を止めるよう、制裁の回避や迂回について、G7で連携して、対応して行くことで一致しています。我が国としては引き続き、関連情報の収集分析を行うとともに、G7をはじめ、関係国と緊密に連携しつつ、適切に対応していく考えであります。