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【全文】中学校での切りつけ事件「極めて遺憾」官房長官会見(3/2午前)

2023年3月2日 15:06
【全文】中学校での切りつけ事件「極めて遺憾」官房長官会見(3/2午前)

松野官房長官は、2日午前、埼玉県戸田市の中学校に刃物を持った男が侵入し、教員を切りつけた事件について「極めて遺憾」とした上で、「侵入経路など詳細な状況は現在確認中であり、その結果も踏まえ、必要な対応をとってまいりたい」と述べました。

<会見トピックス>
▽戸田市の中学校での事件
▽G20の外相会合
▽日銀の白川前総裁の寄稿
▽平和学習の教材の内容修正
▽セキュリティ・クリアランス

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――戸田市の中学校での事件について伺います。試験中の校内に被疑者が侵入し、教員がナイフで切り付けられました。学校への不審者の侵入事件はこれまでも相次いでいますが、見解と政府対応、今後の安全対策を伺います。

○松野官房長官
昨日埼玉県の戸田市の中学校内に刃物を持った男が侵入し、教員を切りつけたという事案が発生したことは極めて遺憾であります。被害に遭われた先生の1日も早い回復をお祈り申し上げます。学校の安全対策については、これまでも政府として、不審者侵入時の対応方法等に関する教職員向け講習会や警備のポイントや、防犯上の改善点等に関するスクールガードリーダーによる各学校への巡回指導等に対する支援などに取り組んできたところであります。今回の事案については、埼玉県および、戸田市の教育委員会が生徒の心のケアや各学校に対する注意喚起を実施していると承知しています。加害者の侵入経路などの詳細な状況は現在確認中であり、その結果も踏まえ、必要な対応をとってまいりたいと考えております。

――G20の外相会合についてお伺いします。林外務大臣は国会対応を優先して欠席することになりましたが、この今回の対応は政府として問題なかったというふうに考えているか、また事前の調整不足を指摘する声もありますが、その点どのように考えているかお聞かせください。

○松野官房長官
G20外相会合については、林外務大臣が出席する可能性を追求しましたが、同会合や国会を含む国内での公務の日程、内容等を総合的に勘案し、最終的に政府・外務省として山田賢司外務副大臣とすることが適切であると判断をしました。G7議長国としての立場を含め、我が国の主張は山田外務副大臣が出席してしっかりと発信をします。

――日銀の白川前総裁の寄稿について伺います。白川前総裁がIMFの季刊誌の寄稿で黒田総裁による大規模金融緩和について、物価上昇の面から見て影響を控え目だった、経済成長の面からも効果は控え目だったと批判しました。今回の寄稿に対する受け止め、金融政策の在り方について見解を伺います。

○松野官房長官
金融政策の具体的な手法については、日銀に委ねられるべきと考えており、白川前総裁のご意見について政府としてコメントすることは控えたいと思います。いずれにせよ、政府と日銀は共同声明の下、互いに連携し、それぞれの責任において必要な施策を実施してきたところであり、引き続き日銀には政府との連携のもと、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、適切に金融政策運営を行われることを期待しています。

――話題変わります。広島市教育委員会が来年度の平和学習の教材から69年前に米国の水爆実験でマグロ漁船第五福竜丸が被ばくした内容を削除する方針を決めました。市教委は、事実関係の記述にとどまり、被ばくの実態を継承する内容になっていないなどと、削除の理由を説明しておりますけど、政府の見解を伺います。

○松野官房長官
ご指摘の報道については承知しています。その上で一般論として申し上げれば、こうした補助教材については、地域や学校、児童生徒の実態等に応じて、教育委員会や校長がその責任のもと、教育的見地から見て、有益、適切なものとして、その内容等を決めるものと考えています。

――前回の「はだしのゲン」の時も同じような答弁で、一義的にはおっしゃるように市教委の裁量、判断で決めることだと思うが、今回の決定にも、被ばく者からは非常に残念だという落胆の声、憤りの声が上がっている。国として教育委員会に対しての指導などの権限はあると思うが、国として対応する考えはあるか。

○松野官房長官
補助教材の使用に関し、文部科学省の通知においては、使用される学年の児童生徒の心身の発達段階に即していること、特定の見方や考え方に偏った取り扱いとならないことなどの留意点を示しています。一般には、これらの留意点を踏まえた上で、教育委員会や校長がその責任のもと、地域や学校、児童生徒の実態等に応じて教育的見地から見て、有益、適切なものとして、その内容等を決めるものと考えています。詳細については文部科学省にお尋ねをいただきたいと思います。

――セキュリティ・クリアランスについて伺います。政府は経済安全保障分野で機微情報に触れる権限を付与する制度の導入を検討していますが、導入目的や意義について伺います。日本には特定秘密保護法がありますが、今回検討している制度では具体的にどのような情報を対象としているのか見解をお聞かせ下さい。

○松野官房長官
セキュリティ・クリアランスについては、昨年末に閣議決定した国家安全保障戦略においても記された重要な課題だと認識しています。セキュリティ・クリアランスを含む我が国の情報保全の強化は、同盟国や同志国との円滑な協力のために重要であるほか、こうした制度を整備することは産業界の国際的なビジネス機会の確保、拡充にもつながることが期待できると考えています。2月14日に開催された経済安全保障推進会議において、岸田総理から経済安全保障担当大臣に対し、経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランスのニーズや論点等を専門的な見地から検討するための有識者会議を立ち上げ、今後1年程度を目途に可能な限り、すみやかに検討作業を進めることなどについてご指示があり、2月22日に第1回経済安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度等に関する有識者会議が開催されたものと承知をしております。今後、この有識者会議において望ましい制度の実現に向けて、検討していくものと認識しています。

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