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埼玉県立高“共学化”で賛否……「女子校で救われた」「社会では男女ともに生活」 県教委の判断は? 発端は県民の“苦情”

2024年8月23日 9:49
埼玉県立高“共学化”で賛否……「女子校で救われた」「社会では男女ともに生活」 県教委の判断は? 発端は県民の“苦情”

埼玉県立高校の男子校・女子校を共学化するかどうか。この問題をめぐり、県教育委員会が共学化を推進する方針を打ち出しましたが、賛否が分かれています。県教委のアンケートでは6割弱が反対。反対の署名を集めるなど、異議を唱える現役高校生もいます。

 ◇◇◇

■主体的に共学化を推進していく方針

埼玉県の教育委員会が22日、記者会見を行いました。

教育長
「今後の県立高校のあり方を総合的に検討する中で、共学化についても主体的に検討していく必要があるとの考えに至りました」

県立の高校で男子校・女子校を共学化するかをめぐり議論されている問題で、主体的に共学化を推進していくという方針を打ち出しました。

■苦情から…第三者機関が「共学化」勧告

事の発端は、一昨年に県民から寄せられた「男子高校が、女子が女子であることを理由に入学を拒んでいることは不適切」という苦情でした。これを受けて、県の第三者機関が去年8月、『県立の男子校と女子校を早期に共学化すべき』と県教委に勧告を出しました。

共学化を推進する市民団体は、会見で「勉強するのに男の子か女の子か性別を問う必要は一切ありません。合理的な理由がない区別は差別だと、私たちは考えます。性別で人を進学とか就職のときに問うてはいけない。この意識を浸透させてもらいたい」と訴えました。

■高校生、3万4000人分の署名を提出

しかし、この共学化に一部の現役の高校生が異議を唱えました。約3万4000人分の署名を集め、7月に県教委のもとを訪れていました。

共学化に反対する生徒は「中学で嫌な経験とか色々あったんですけど、女子校に来て私は救われています。『別学校を選ぶのも1つのあなたの権利なんだよ』と、守っていきたいと思っています」と語ります。

■男女別の高校に通う生徒たちの声

男女別の学校に通っている高校生に22日、話を聞きました。

川越市で取材した男子校に通う生徒
「反対ですね。部活動が、共学だと吹奏楽部とか美術部とか、男子は入りにくいと思うんですけど、この高校(男子校)はそういうのはなくて。今までサッカー部だったんですけど、この高校に入って初めて吹奏楽部に入りました」

さいたま市で取材した女子校の生徒からは、「女子校ならではの雰囲気もあって、すごく充実しています」「共学にいきたい人と別学にいきたい人がいると思うんですけど、その人たちの選択肢が共学化することで狭まるのは…」といった声が聞かれました。

■「共学化」賛成の高校生も…理由は?

一方で、共学化に賛成する現役高校生もいます。

さいたま市で取材した女子校の生徒は「賛成です。社会に出たら女子だけの環境はあまりないかなと思うので、男子と接する機会を高校生のうちから作って、男子がいるなかでの経験もしておいた方がいいのかな」と話しました。

共学化をめぐっては賛否が分かれます。

■賛否は…県教委アンケートの結果

県教育委員会が実施したアンケートでは、県内に在住・在学する高校生の57.2%が「共学化しない方がよい」と回答。「共学化した方がよい」は7.8%、「どちらでもよい」は33.2%でした。

「しない方がよい」の理由には、「異性の目を気にせず学校生活が送れる」「伝統・雰囲気が失われる」などがありました。「した方がよい」を選んだ理由には「社会では男女がともに生活しているから」などとも回答されていました。

こうした中で、埼玉県は12校ある県立の男女別学校について『主体的に共学化を推進していく』という方針を明らかにしました。

共学化の具体的な時期などは示されませんでしたが、県教委は、共学校・別学校には多様なニーズがあることから、今後もアンケートや意見交換などを実施していくとしています。

(8月22日『news zero』より)

最終更新日:2024年11月8日 19:22
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