“人慣れイノシシ” アジサイの名所に連日出没 近づき写真を撮る人も 栃木
多くの観光客でにぎわう栃木市のアジサイの名所でイノシシの出没が相次いでいます。人がいても逃げない“人慣れした”イノシシは24日も出没しました。市はワナを設置するなどしていますが、捕獲にはいたっていません。
栃木駅から3キロほど離れた「あじさい坂」。この時期、約6万人が訪れる観光名所に、普段は現れないイノシシが連日出没しています。
目撃情報をもとに取材を始めると5分ほどで…
記者
「います」
観光客が歩くそのすぐそばで、体長1メートルに満たないイノシシを発見。
記者
「かなり近いところに…。何かあさっています。人がいる中でも普通にいます」
人に慣れた様子でおとなしいため…
観光客
「いたいた、怖い怖い」
「あの人写真撮っている」
近づいて写真を撮る人もいました。
それでも…
観光客
「おとなしくてこっちには来なさそうだけど、怖いイメージがあるので怖いです」
時に人を襲うこともあるイノシシ。環境省によると、イノシシによる昨年度のケガ人は64人。2016年度以降では、4人が亡くなっています。
観光客
「出てきちゃった、怖い」
刺激しないよう距離を取って取材を続けると…
記者
「人がいるところを横切って行きました」
さらに…
記者
「やばい、めっちゃ動いている」
「びっくりした」
2時間以上姿を見せた“人慣れイノシシ”。最初に目撃されたのは、6月4日です。その後も同じ個体とみられるイノシシが毎日のように出没。23日までに20件の目撃情報が市に寄せられています。
そして24日も…
記者
「当たり前のようにいるな」
また姿を見せた“人慣れイノシシ”。栃木市は警察と連携して、パトロールを強化しています。
記者
「警察がイノシシを追い払いに茂みの中に入っていきます」
他にも…
記者
「イノシシの出没を受け、市はワナを設置して対応しています」
しかし、いまだ捕獲にはいたっていません。
専門家によると、1歳に満たないオスとみられるという今回のイノシシ。なぜ“人慣れ”しているのでしょうか?
広島修道大学・人間環境学部 奥田圭教授
「餌付けをしてしまうと人慣れしてしまう可能性が高くなる」
近くの神社の関係者によると、赤ちゃんイノシシに餌付けをする人もいたという情報もあります。
広島修道大学・人間環境学部 奥田圭教授
「そこにエサがあるという認識になってしまって、その周辺に定着をしてしまうことにつながる」
ただ、人慣れしていても襲ってくる危険性はゼロではありません。もしイノシシと遭遇しても刺激せず、ゆっくりと後ずさりして離れることが大切です。