訪日旅行客300万人超…観光地「限界」の声も 外国人は別価格?“おもてなし”光と影【バンキシャ!】
5月の1か月間で、日本を訪れた外国人旅行者数は304万100人。3か月連続で300万人を超え、にぎわう観光地では “おもてなし”の “限界”も…。増え続ける外国人観光客に向け「二重価格」を設定した飲食店もあります。悩める飲食店の事情とは?【バンキシャ!】
***
22日、バンキシャは京都へ。
バンキシャ
「外国人観光客の方が多いですね」
買い物や食べ歩きを楽しむ外国人観光客。
バンキシャ
「キュウリ食べてる…めっちゃキュウリ食べてる」
食べ歩きできる、冷やしキュウリが人気のようだ。
19日に発表された、5月の訪日外国人の数は約304万人。3か月連続で300万人を超えた。
つけもの店 店長
「にぎやかになるのは観光地としてはいいことだと思いますね」
歓迎する声がある一方で、外国人観光客に頭を悩ませる人も。観光客に人気の嵐山。そのメインストリートを歩いていると…
バンキシャ
「嵐山でポイ捨てしたら罰金3万円。韓国語と英語で表記されています」
至るところに“ポイ捨て禁止”を呼びかけるポスターが。
店先で販売していた竹のかごに、外国人観光客かは定かではないが、ゴミが捨てられていたという店も。
嵐山商店街 石川恵介会長
「悲しいことですけど、ポイ捨てには困ってます」
その対策として、これまでに3種類のポスターを作製。2024年に入り英語、中国語、韓国語で書かれたものを作ったという。これまでにかかった費用はおよそ45万円。費用は商店街の会費などでまかなったという。しかし、これ以上の対策をしようとすると・・・
嵐山商店街 石川恵介会長
「商店街の会費をうんとあげなきゃいけなくなるので…地域団体の限界的なところです」
***
22日、バンキシャが訪ねたのは90年以上続く飲食店(京極スタンド/京都市)。見せてくれたのは…
京極スタンド 店主
「日本語で話してください。私たちは外国語が話せないので」
さらにもう1枚。1人1杯1品を頼むこと、と書かれている。これらを用意したのは、過去に困ったことがあったからだ。
京極スタンド 店主
「4人で来てビール1本とか、おかずも人数分を頼まずシェアする。話す時間が長かったので困るなって」
英語が話せるスタッフがおらず、注意できなかったという。そこでこの店は、外国人客は原則、日本語が理解できることを入店の条件にしたという。
京極スタンド 店主
「全く断ってるわけじゃないので、そこはなんとか理解していただきたい」
***
一方、東京・渋谷では、増え続ける外国人観光客の対策をしたうえで開店した店も。
訪ねたのは、4月にオープンしたばかりの海鮮バイキングの店。店内には紅ズワイガニやカキなどの海の幸が並ぶ。
お客
「お魚もおいしい!」
60種類の海鮮が食べ放題というこの店。店の外にある看板には「日本人および国内在住の方、税込み1100円引き」と…。実はこのお店、同じ食べ放題でも日本人よりも外国人が多く支払う「二重価格」を設定しているのだ。
およそ2割が外国人客だというが、なぜ料金に差をつけたのか。接客にその理由が――
日本人と外国人で異なる料金設定をしている、海鮮バイキングの店。フロアを見てみると、日本人を接客しているのは日本語しか話さない従業員。奥の外国人観光客を接客しているのは英語が話せる従業員だ。帰り際にも…
店員
「レシート要りますか?」
お客
「けっこうです」
店員
「サンキュー」
この店では英語が話せる従業員を必ず1人シフトに入れる。その人件費を捻出するため、料金に差をつけたという。
さらにもう1つ理由があった。
海鮮バイキング&浜焼きBBQ玉手箱 米満 尚悟 オーナー
「外国人の方は(予約の)半分。5割くらいはキャンセルされる…」
キャンセルで出た損失を補てんするために料金に差をつけているという。
海鮮バイキング&浜焼きBBQ玉手箱 米満 尚悟 オーナー
「外国人の観光客のお客様は全くいらっしゃらなくていいという考えではない。ただある程度調整しないと、どうしてもお店が回らなくなっちゃって」
――外国人の客はどう感じているのか。
香港からのお客
「外国人に対応するための追加料金は妥当だと思います。それも日本の文化なんでしょうから」
こうした「二重価格」は、自治体でも検討に入っている。
兵庫県にある世界遺産・姫路城。
バンキシャ
「外国人観光客の方でしょうか。写真撮ってますね」
2023年、姫路城を訪れた外国人は過去最多の45万人。ここで検討されているのが…
兵庫県姫路市 清元 秀泰 市長
「市民のお金と外国から来られる方とは、2種類の料金設定があってもいいのではないかと」
外国人観光客の入城料の引き上げだ。現在、18歳以上は一律1000円だが、外国人観光客に限り、約4倍の金額にする「二重価格」を検討しているという。収益はオーバーツーリズム対策や城の修繕にあてたいという。
訪れていた外国人観光客は――
アメリカからの観光客
「少し高くても日本の文化を知って見ることができるなら喜んで支払います」
オーストラリアからの観光客
「外国人と地元の人を分けるのは差別ですね」
「同じ値段じゃないと」
姫路市によると、今年度から入城料の見直しについての検討を行い、来年度以降に料金の改定を予定しているという。
*6月23日放送『真相報道バンキシャ!』より
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22日、バンキシャは京都へ。
バンキシャ
「外国人観光客の方が多いですね」
買い物や食べ歩きを楽しむ外国人観光客。
バンキシャ
「キュウリ食べてる…めっちゃキュウリ食べてる」
食べ歩きできる、冷やしキュウリが人気のようだ。
19日に発表された、5月の訪日外国人の数は約304万人。3か月連続で300万人を超えた。
つけもの店 店長
「にぎやかになるのは観光地としてはいいことだと思いますね」
歓迎する声がある一方で、外国人観光客に頭を悩ませる人も。観光客に人気の嵐山。そのメインストリートを歩いていると…
バンキシャ
「嵐山でポイ捨てしたら罰金3万円。韓国語と英語で表記されています」
至るところに“ポイ捨て禁止”を呼びかけるポスターが。
店先で販売していた竹のかごに、外国人観光客かは定かではないが、ゴミが捨てられていたという店も。
嵐山商店街 石川恵介会長
「悲しいことですけど、ポイ捨てには困ってます」
その対策として、これまでに3種類のポスターを作製。2024年に入り英語、中国語、韓国語で書かれたものを作ったという。これまでにかかった費用はおよそ45万円。費用は商店街の会費などでまかなったという。しかし、これ以上の対策をしようとすると・・・
嵐山商店街 石川恵介会長
「商店街の会費をうんとあげなきゃいけなくなるので…地域団体の限界的なところです」
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22日、バンキシャが訪ねたのは90年以上続く飲食店(京極スタンド/京都市)。見せてくれたのは…
京極スタンド 店主
「日本語で話してください。私たちは外国語が話せないので」
さらにもう1枚。1人1杯1品を頼むこと、と書かれている。これらを用意したのは、過去に困ったことがあったからだ。
京極スタンド 店主
「4人で来てビール1本とか、おかずも人数分を頼まずシェアする。話す時間が長かったので困るなって」
英語が話せるスタッフがおらず、注意できなかったという。そこでこの店は、外国人客は原則、日本語が理解できることを入店の条件にしたという。
京極スタンド 店主
「全く断ってるわけじゃないので、そこはなんとか理解していただきたい」
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一方、東京・渋谷では、増え続ける外国人観光客の対策をしたうえで開店した店も。
訪ねたのは、4月にオープンしたばかりの海鮮バイキングの店。店内には紅ズワイガニやカキなどの海の幸が並ぶ。
お客
「お魚もおいしい!」
60種類の海鮮が食べ放題というこの店。店の外にある看板には「日本人および国内在住の方、税込み1100円引き」と…。実はこのお店、同じ食べ放題でも日本人よりも外国人が多く支払う「二重価格」を設定しているのだ。
およそ2割が外国人客だというが、なぜ料金に差をつけたのか。接客にその理由が――
日本人と外国人で異なる料金設定をしている、海鮮バイキングの店。フロアを見てみると、日本人を接客しているのは日本語しか話さない従業員。奥の外国人観光客を接客しているのは英語が話せる従業員だ。帰り際にも…
店員
「レシート要りますか?」
お客
「けっこうです」
店員
「サンキュー」
この店では英語が話せる従業員を必ず1人シフトに入れる。その人件費を捻出するため、料金に差をつけたという。
さらにもう1つ理由があった。
海鮮バイキング&浜焼きBBQ玉手箱 米満 尚悟 オーナー
「外国人の方は(予約の)半分。5割くらいはキャンセルされる…」
キャンセルで出た損失を補てんするために料金に差をつけているという。
海鮮バイキング&浜焼きBBQ玉手箱 米満 尚悟 オーナー
「外国人の観光客のお客様は全くいらっしゃらなくていいという考えではない。ただある程度調整しないと、どうしてもお店が回らなくなっちゃって」
――外国人の客はどう感じているのか。
香港からのお客
「外国人に対応するための追加料金は妥当だと思います。それも日本の文化なんでしょうから」
こうした「二重価格」は、自治体でも検討に入っている。
兵庫県にある世界遺産・姫路城。
バンキシャ
「外国人観光客の方でしょうか。写真撮ってますね」
2023年、姫路城を訪れた外国人は過去最多の45万人。ここで検討されているのが…
兵庫県姫路市 清元 秀泰 市長
「市民のお金と外国から来られる方とは、2種類の料金設定があってもいいのではないかと」
外国人観光客の入城料の引き上げだ。現在、18歳以上は一律1000円だが、外国人観光客に限り、約4倍の金額にする「二重価格」を検討しているという。収益はオーバーツーリズム対策や城の修繕にあてたいという。
訪れていた外国人観光客は――
アメリカからの観光客
「少し高くても日本の文化を知って見ることができるなら喜んで支払います」
オーストラリアからの観光客
「外国人と地元の人を分けるのは差別ですね」
「同じ値段じゃないと」
姫路市によると、今年度から入城料の見直しについての検討を行い、来年度以降に料金の改定を予定しているという。
*6月23日放送『真相報道バンキシャ!』より