渋谷“路上飲み NG”条例でどうなる? パトロールで「ちゃんと捨てて」→「違反です」海外では拘束も【#みんなのギモン】
そこで今回の#みんなのギモンでは、「渋谷で“路上飲み”厳しく?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●条例改正で何変わる?
●日本は緩い? 路上飲酒
山崎誠アナウンサー
「渋谷区が、路上での飲酒に関する条例の改正案を提出しました。可決されれば10月から施行される見通しです。まず、何が変わるのでしょうか?」
「現在渋谷区の条例では時期と範囲が決まっています。ハロウィーンの時期と大みそかなどに限って路上飲酒が禁止されていますが、改正案が成立すれば通年となります」
「ハロウィーンの時期にはハチ公前やセンター街などで禁止とされていましたが、改正後のエリアは、まだ検討中ですが拡大される見通しです」
鈴江奈々アナウンサー
「ハロウィーンの時期になると渋谷区で呼びかけられていたのを覚えていますが、通年になってエリアも拡大するとなると影響も大きそうですよね」
山崎アナウンサー
「該当する期間やエリアが増えますからね」
山崎アナウンサー
「隣接する新宿区も4日、路上飲酒を禁止する条例案を12日から始まる区議会に提出すると発表しました。禁止とするのはハロウィーンの期間(10月31日夜~11月1日朝)のみで、新宿駅東口から歌舞伎町へとつながるエリアとなる見通しです」
「今の渋谷に新宿が近づくような形になるかと思います。(規制が)全くなかった状態から、期間とエリアを設けて、ということになります。去年のハロウィーンに、渋谷から人が流れてきたことなどが背景にあるということです」
桐谷美玲キャスター
「ルールをちゃんと決めないといけないほど、大変な状況があるということなんですよね」
山崎アナウンサー
「ルールを決めないと困ったことが起きているという現状があるんです。5日、渋谷センター商店街振興組合の鈴木達治理事長は『両脇に座り込んで、お酒飲んだりタバコ吸ったりして…』と教えてくれました」
「路地に入ってお酒を飲むなどということがありますが、ゴミの問題や騒音、通行の妨げになることから、路上飲酒を禁止することが求められているんです。5日、条例の改正をどう思うか、渋谷で聞きました」
アルバイト(20代)
「賛成です。治安がよくなるならいいんじゃないかなと思います」
大学生(10代)
「倒れてる人がいたり寝てる人がいたりとか、すごい騒いでたりとか」
一緒にいた大学生(10代)
「飲むならちゃんとお店の中で飲んでほしいなって思います」
森圭介アナウンサー
「飲んで騒いでる人はとても楽しいんでしょうけど、飲んでない人から見れば本当に迷惑ですし、治安の問題もあります。そもそも今、飲む人自体が減ってきていますから、ちょっと考えなきゃいけない時期なのかなとは、個人的に思います」
山崎アナウンサー
「お酒を飲むことは悪くないですが、それぞれが楽しめるようなまちづくりが必要です。渋谷区はこれまでも、さまざまな取り組みを行っています。その1つが、路上飲酒をしている人たちに声をかけるパトロールです。毎晩午後8時から翌朝5時まで行われています」
「ただ、こうしたパトロールも現状ではお願いベースです。条例で定められていない時期は『飲んだ缶はちゃんと捨ててください』といったお願い、声かけしかできません」
「これが条例で通年となれば、毎日のパトロールでも直接『禁止ですよ』『路上飲酒禁止条例違反です』と、これまでよりも強く路上飲酒をしないよう求めることができます」
河出奈都美アナウンサー
「条例に違反した場合、罰則などはあるんですか?」
山崎アナウンサー
「罰則は現時点でも条例にありませんし、今回の改正案にも盛り込まれていません」
山崎アナウンサー
「実際、どれだけ路上飲酒する人がいるのでしょうか。4月の週末(金・土・祝前日)にパトロール隊の方が注意した人数を1日の平均でみると、158人以上でした。去年9月からの調査で最多となり、このうち7割以上が外国人でした」
鈴江アナウンサー
「まちなかで外国人観光客の方が路上飲みを楽しんでいる姿も見かけます。そういったことも含めて、日本に楽しみにいらっしゃる方もいるかもしれませんね」
山崎アナウンサー
「外国人の方も日本の文化や場所、お酒も楽しみにいらっしゃっているかもしれません。外国人観光客が日本で路上飲酒をする背景について考えます。去年9月、路上で飲酒をしていた外国人観光客がこんなことを話していました」
アメリカからの観光客
「カリフォルニアでは路上飲みはできない」
山崎アナウンサー
「背景に、海外と日本のルールの違いがあります。観光客の中には、SNSなどで路上飲酒している日本人の姿を見たから自分もやっていると話す人もいました。海外で路上飲酒というイメージはありますか?」
桐谷キャスター
「路上で飲んでいるというよりは、お店で楽しく盛り上がっている印象がありますね」
山崎アナウンサー
「実際に海外ではどうなのでしょうか。外務省ホームページなどによると、アメリカでは多くの州で、公共の場での飲酒が禁止とされています。国全体で禁止されているロシアでは違反すると罰金、場合によっては拘束もされます。かなり厳しいです」
「シンガポールでは午後10時半から午前7時まで禁止で、初犯の罰金は日本円で約11万円。主な目的は犯罪を防ぐことです。自分が寝てしまっていて物をとられたり、酔っぱらってしまっていて人や物に害を加えたりしないように、ということが目的です」
「国の法律で禁止するところもあるなど、日本に比べてルールはかなり厳しいと言えます」
河出アナウンサー
「確かにそう考えると、日本はルールがやさしいかなと感じます。それだけ安全だという裏返しでもあるのかなとは思いました。他の国に行くと、路上飲酒だけでなくポイ捨てなど、かなり罰金や罰則が厳しいイメージがあります。ちょっと緊張感もあります」
鈴江アナウンサー
「お国によってはいろんなルールがありますよね」
森アナウンサー
「世界の状況を見ると日本がいかに緩いか。先進都市で治安のことを考えるのなら、厳しくしてもいいのかなという声があるのはやむを得ないかなという感じにはなってきますよね」
山崎アナウンサー
「時代や考え方によって変わっていく部分もあるかもしれませんが、渋谷区の条例改正で地元の人はどういった効果を期待するのでしょうか。鈴木理事長に聞きました」
鈴木理事長
「(街が)安全安心っていう環境になっていくということも期待してますし、渋谷では路上飲みできないってことがだんだん広がっていけば、もっともっと前進・改善されていくと思ってます」
鈴江アナウンサー
「条例で渋谷で路上飲みができない方向に行っていますけれども、お店で飲むこともできますし、楽しみ方がまたちょっと変わってくるんだなと捉えたいですね」
山崎アナウンサー
「そうですね。楽しむ方法さえ守れば、というところですね。外国人観光客の方にも正しく理解していただけるように、まずは私たち日本人がルールを守りながら正しい情報を周知していくことが大切なんだと思います」
(2024年6月5日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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