“実証ツアー”開始 「都民割」が6月中に再開へ 「光がちょっと見え始め…」観光業界からは期待の声
「リバウンド警戒期間」が終わった東京では、“都民割”が6月中に再開します。また、外国人観光客の受け入れ再開に向けた実証ツアーが始まり、観光業界からは期待の声が高まっています。
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25日午後2時すぎ、岩手・平泉町にある世界遺産「中尊寺」で、アメリカからの観光客が熱心に写真を撮っていました。彼らは、政府が外国人観光客の受け入れ再開に向け、感染防止策などを検証するために行う「実証事業」の参加者です。24日に来日した7人は2つのツアーに分かれ、7泊8日の日程で観光地を巡ります。
実証事業で来日したアメリカ人観光客
「コロナ禍になり2年、大勢の人が日本に来たいと思っています」
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外国人観光客受け入れへの動きが加速しています。日本屈指の観光スポット、浅草に店を構える飲食店も期待を寄せています。
浅草つる次郎 浜田圭二店長
「やっと、外国のお客様が来られる状態に徐々になってきたのかなと。光がちょっと見え始めたので、期待は大きいですね」
新型コロナウイルス流行前、この店は、多い時で客の半数が外国人観光客というほど、インバウンドによる恩恵を受けていたといいます。“オモテナシ”にも力を入れています。
浅草つる次郎 浜田圭二店長
「こちら、外国のお客様用の英語のメニューになっています」
英語、中国語、韓国語で書かれたメニュー表はもちろん、6月から新たに始めるのが、かつお節を使ったサービスです。かつお節をお好み焼きに振りかけ、熱々のお好み焼きの上でかつお節が踊るという、外国人が喜ぶ臨場感のある演出を考えたといいます。
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25日、東京では新たに3929人の感染が確認され、12日連続で前の週を下回っています。
感染状況が落ち着くなか、東京・江東区にあるホテルが今、期待しているのが、都が来月中に試験的に再開予定の観光支援策、いわゆる“都民割”です。
東京イーストサイドホテル櫂会 営業部・多田敬一部長
「東京“都民割”がやっと実施される予定とお伺いしましたので、人の動きが変わってくるかなと期待しています」
この制度では、東京都民であれば、1泊につき5000円程度の補助が検討されています(もっとTokyo(都民割) ※6月~試験的に開始予定 1人1泊5000円程度補助 ※ワクチン3回接種など条件あり)。
宿泊よりもレストランを利用する人の方が多いというこのホテルでは、“都民割”を宿泊者増加の起爆剤にしたいといいます。その一方で、補助の対象を近隣県に広げることや、いずれは「GoToトラベル」の再開を望んでいるということです。
東京イーストサイドホテル櫂会 営業部・多田敬一部長
「神奈川県、埼玉県、千葉県も特典、割引等が適用できるようになるのを期待しております」
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また、“都民割”は日帰り旅行にも使えます(もっとTokyo(都民割) ※6月~試験的に開始予定 日帰り旅行の場合・1人1回2500円程度補助 ※ワクチン3回接種など条件あり)。
バスツアーの会社では、2020年に“都民割”が実施された際、予約開始と共に問い合わせが殺到したといいます。
はとバス広報室 伊藤百那さん
「前回は、お客様からとても反響をいただきまして、“都民割”の再開をきっかけに、これが追い風となって、今後、お客様がご利用されることが増えてくるのを期待しております」
ツアー参加者がコロナ前の水準に戻らないなか、都民が楽しめるコースを検討しているということです。