【解説】東京「警戒期間」終了し1年半ぶり“制限なし”に 「都民割」も再開…変わることは?
東京都独自のリバウンド警戒期間が22日で終了し、約1年半ぶりに23日から飲食店などの制限がなくなりました。私たちの生活はどう変わるのか、新型コロナウイルスの感染再拡大につながらないのか。「ゴールデンウイーク後も拡大傾向なし」、「飲食店“制限なし”」、「“旅行”割引も復活へ」の3つのポイントについて詳しく解説します。
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東京の新規感染者数について、今年に入ってからの大きな山、第6波のピークは2月2日で2万1562人と過去最多でした。そこから減少傾向ではありますが、今月に入ってからは下げ止まりのような状況が続いていて、22日の新規感染者数は3317人でした。
まん延防止等重点措置が3月21日で終わり、翌22日からは東京都が独自に実施しているリバウンド警戒期間に入っていましたが、東京都は、連休後の感染拡大がないことなどから22日をもって終了しました。ゴールデンウイーク直後には、都内で「1日1万人程度まで感染者が増加する」との試算もありましたが、幸いにもそのような結果にはなりませんでした。
では、23日からはどのような期間となるのか、東京都の小池知事は20日、次のように述べました。
東京都 小池知事
「リバウンド警戒期間を終了することといたしました。5月23日以降は基本的な感染防止対策を徹底することで、感染を抑えるステージに入ってまいりたいと考えております」
これまでの長い道のりをふりかえると、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置、酒類提供する飲食店などへの時短要請など、この1年半近くずっとなんらかの制限がありました。「全く何の制限もない」というのは、2020年11月27日以来になります。
では、リバウンド警戒期間が終わって、何が変わるのでしょうか。
飲食店については、認証店では、これまでの「1グループ8人以内」、「滞在時間も2時間以内」といった人数や時間の制限が、全てなくなります。非認証店では、引き続き「酒類の提供を午後9時まで」、「利用は4人以内で2時間以内」とするよう協力を求められます。
学校については、修学旅行や体育祭などの学校行事はこれまで「中止」や「延期」、「規模を大幅縮小」といった扱いを受けてきましたが、これからは、「感染対策を徹底した上で行う」ということです。
さらに、休館や予約制などの措置もとられていた美術館や博物館などの都立の施設については、企画展などのイベント時を除いて「事前予約が不要」になります。入場を入れ替え制にしたり、混雑時に入場制限を行うなど、各施設の状況に応じて3密にならない範囲で運営するということです。
ファンが多い上野動物園の双子パンダについては、23日は休園日でしたが、24日からは事前予約なしで観覧に行けるようになります。ただ、残念ながら双子パンダの観覧だけは、「飼育上の理由」で1日あたり4400人の抽選制が続きます。
40代夫婦
「出かけたい気持ちはありますけど、少し怖い感じはある。出かけるとしても場所は選びたいかな」
60代母親・30代娘
「解除されたと聞くだけで出かけやすくなったり、気持ち的にどこ出かけようかなとか気軽に考えられる。親戚みんなで集まりたい、気兼ねなく」
30代母親
「また、前みたいに戻れるのかなって、うれしい気持ちもあります。夏休みにちょっと旅行に、飛行機使って行ってみたいなと」
小学3年生息子
「遊園地とか行きたい!」
夏休みに旅行したいという人に朗報があります。東京都は都民の都内旅行への助成金、いわゆる「都民割」を「来月中に試験的に再開する」ということです。
名称は「もっとTokyo」で、対象は「ワクチンを3回接種済み」か「検査結果が陰性の人」になります。仕組みはこれまでと基本的には同じで、宿泊旅行なら1人1泊5000円、日帰りなら1人1回2500円を都が助成します。1回の宿泊上限は1人5泊までで、利用回数は制限しない方針です。23日時点の予算は49億円で「94万泊分」を予定しているということです。
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まだ、コロナそのものが完全になくなったわけではないので、必要に応じてメリハリをつけた感染対策は行っていくことになります。一方で、テレワークや時差出勤など、残すべきものは継続して、早く日常を取り戻したいです。
(2022年5月23日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)