×

“発がん性”疑いも――自然界にない「PFAS」がナゼ水に? 一部の川や地下水から高濃度で検出 都水道局「水道水は安全」

2023年6月16日 10:13
“発がん性”疑いも――自然界にない「PFAS」がナゼ水に? 一部の川や地下水から高濃度で検出 都水道局「水道水は安全」

発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFAS」が問題になっています。自然界に存在しない物質ですが泡の消火剤の一部などに使われ、地下水に入る可能性があります。東京都水道局は水道水の安全性を強調。国は被害の未然防止に向けて動きだしました。

■高濃度で「PFAS」検出される事例が

有働由美子キャスター
「(『水道水の水質に関する一部報道について』という件名の)東京都水道局からのメールがあります。最近送られてきた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。私にも送られてきましたが、最初見た時は『フィッシング詐欺か』と構えてしまいました」

「『zero』が15日に水道局に確認したところ、本物でした。(メールを)読んでみると『安心して水道水をお飲みいただけます』と書いてあります。また『PFOS(ピーフォス)』『PFOA(ピーフォア)』という見慣れない単語もあります」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「有機フッ素化合物のことで、これらを総称して『PFAS(ピーファス)』と呼んでいます。これは発がん性が疑われる物質で、国内の一部地域の河川や地下水などから、高い濃度で検出される事例が確認されました」

■PFAS商品、国内製造や輸入は禁止に

小栗委員
「このPFASは自然界には元々なく、1940年代以降にアメリカで開発されたものです。水や油をはじくという独特の性質があるため、日本でもフッ素加工のフライパンやハンバーガーの包装紙、メガネのくもり止めなどの商品に使われてきました」

「ただ2021年までに、これらPFASの商品について日本国内での製造や輸入は禁止されています」

有働
「今売られているフライパンには含まれていないということですね」

■欧米では…健康に影響するとの指摘も

小栗委員
「環境省が公表した調査では、PFASが原因で病気になったなどの健康被害が発生したという事例はないとされています」

「ただ、長年PFASについて研究している京都大学の原田浩二准教授によると、欧米では腎臓がんや精巣がんのリスクが上がったり、乳幼児の成長に影響が出たりするなどの可能性が指摘されています」

次ページ
■消火剤、半導体の製造過程にPFASが
    24時間ライブ配信中
    日テレNEWS24 24時間ライブ配信中
    logo

    24時間ライブ配信中