神奈川で相次ぐ「異臭」感じたらどう行動?
いま、なぜか神奈川県で『異臭がする』という通報が相次いでいます。
10月12日、横浜市は初めて“異臭”の採取に成功。相次ぐ異臭のナゾに迫ります。
■横浜駅・みなとみらい地区で「異臭」
10月12日も神奈川県のJR横浜駅などで「異臭がする」との通報が相次ぎました。
12日の午後4時半すぎJR横浜駅では規制線が張られ、騒然とした雰囲気になりました。
警察と消防が出動し、横浜駅では一時、入場を規制して状況を確認したということですが、原因は分からなかったということです。
この異臭騒ぎ、10月12日は横浜駅だけではなく、横浜市のみなとみらい地区などでも複数の通報があったということです。
■「異臭」の通報は6月から300件以上
こうした「異臭がする」との通報が6月から神奈川県で相次いでいます。
最初は6月4日に三浦市と横須賀市で、その後、横須賀市では7月、8月、9月、10月1日と月1回のペースになっています。
そして横浜市では、1日、3日、5日、6日、12日と、10月だけで5回もありました。
神奈川県内での通報件数はこれまでに300件以上にのぼります。なぜ神奈川なのでしょうか。
発生している場所は駅前や住宅地などばらばらで、横須賀市ではほとんどが東京湾の沿岸だということです。
■異臭の種類はさまざま
においの種類もさまざまで、横浜市では「ゴムの焼けたような臭い」がするとの通報が多いそうです。他にも、「卵が腐ったような臭い」があったということです。
横須賀市と三浦市ではガスの臭いが多く、他にも、接着剤やシンナーの臭い、薬品のような臭いと、いろいろあります。
こうした異臭で気持ちが悪くなった人はいますが、救急車で搬送された人はいないということです。
■原因は…?横浜市の消防が初めて採取に成功
気になるのは原因が何なのかということですが、神奈川県や異臭が起きた市が調査に乗り出しています。
神奈川県の大気水質課に聞いたところ、原因は「全く分からない」ということで、「異臭を採取しようと試みたが、なかなか難しい」と話しています。
というのも、通報をうけて消防が駆けつけると、すでに臭いが消えてしまっているということです。
ただ、12日横浜市の消防が初めて採取に成功しています。
通報はありませんでしたが、横浜市の消防の職員が何かが焼けたような異臭に気づき、自らサンプルを採取したということです。
早ければ13日にも分析結果が出るそうことです。
■どうやって異臭を採取する?
異臭はビニール袋などで簡単に採取できるわけではなく、難しいことがわかりました。
採取には現場に専用の機材が必要になります。
機材にはポンプがついていて、スイッチ入れると、異臭成分を含んだ空気がビニールの袋のなかに吸い込まれます。この袋には、特殊なフィルムが使われています。
現在、通報をうけて現場に向かう消防に機材を配布し、異臭を採取し、施設で成分を分析することになっているそうです。
一般的なビニール袋で採取しても、正確な分析はできないということです。
■人間の鼻はごく微量でも感知する
分析にあたる神奈川県環境科学センターの加藤洋所長によりますと、「人間の鼻は敏感で、ごく微量でも感知する。私たちが異臭を感じても、分析で判明するかはわからない。発生源がわかればいいが、有害な成分が入っていないかどうかが一番大事」ということです。
この一連の異臭騒ぎについて13日、小泉環境大臣も会見でコメントしました。
「今までにない事案ですから、なかなかどう対応したらいいのか。どの専門家を派遣すればいいのかということも含めて、環境省内でもなかなか難しい案件ということを聞いています」
小泉大臣の地元は横須賀ということもあって、少し気になると会見でも述べていて、国としても原因究明に取り組むということです。
■もし異臭を感じたらどうすれば?
最後に、異臭を感じたらどうしたらいいのかということですが、横須賀市では、市長が次のように呼びかけています。
・異臭を感じた場合はまず、速やかに室内に待避してください
・窓を閉め外気を遮断
・それから消防へ通報してほしい
原因が判明するまで不安が続きますが、有害物質が含まれている可能性もありますので、注意してほしいということです。
(2020年10月13日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)