20年ぶり犯罪増ナゼ?……テレワーク機器を狙う「サイバー犯罪」大幅増 「専門化し、大胆な犯行が増える危険性」も
刑法に触れる犯罪件数は去年、20年ぶりに増加しました。新型コロナウイルスの行動制限の緩和が背景にあるとみられます。また手口が巧妙化し、テレワーク機器が狙われるサイバー犯罪も大幅に増えています。経済の不安定化で今後の推移にも注意が必要です。
■銃撃事件も影響? 「治安悪化」67%
有働由美子キャスター
「警察庁が全国の15歳以上の男女5000人を対象に、『ここ10年で日本の治安は良くなったと思うか?』とアンケートしたところ、『悪くなった』『どちらかというと悪くなった』と答えた人の割合が67.1%でした」
「このアンケートを行ったのは去年の10月で、7月には安倍元首相が銃撃される事件があったため、不安が広がっていたのも影響しているとみられています」
■制限緩和で…人が戻ったことが影響か
「警察庁の令和4年犯罪情勢(暫定値)によると、全国の警察が認知した、刑法に触れる犯罪の件数はこれまでずっと減少を続けていましたが、去年は20年ぶりに前の年より増加していました。どういう理由があるのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「新型コロナウイルスによる行動制限が緩和されて、街に人出が戻ったことが影響していると言われています。内訳を見ると、特に多かったのが街中での自転車の窃盗や傷害、暴行などで、前年から14%以上も増えていました」
「警察庁は『これまでの減少傾向が変わったのかどうか、今後の動向を注視したい』としています」
■「危険視される犯罪」も前年より増加
小栗委員
「また手口が巧妙化し、危険視されている犯罪も増加しています」
「ランサムウェアと呼ばれるコンピューターウイルスによるサイバー犯罪は、前年よりも57%以上も増えました。コロナ禍でテレワークが増えましたが、利用される機器のセキュリティーの弱さが狙われたケースが大半を占めているということです」
「そして、オレオレ詐欺などの特殊詐欺も2年連続で増加していました」
「犯罪心理学に詳しい東京未来大学の出口保行教授は『好景気の時はなんとか犯罪者に転落しなかった人が、経済が不安定になると、犯罪に手を染めてしまうこともある。今後さらに専門化し、かつ大胆な犯行が増えていく危険性が高い』と指摘しています」
■廣瀬さん「コロナ禍でのストレスも」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「行動制限が緩和されたとはいえ、もともとコロナでいろいろなストレスがたまっているのが影響しているかなと思いました。そのはけ口として犯罪が増えている気がします」
「僕としてはランニングをしてストレスをためないことや、家族との時間、ちょっとした食事などで、小さな喜びを見つけられたらいいなと思いました」
有働キャスター
「組織化、高度化する犯罪には国と警察がしっかり対策してほしいと思いますが、私たちレベルでは意外と、ご近所のつながりが強いと思っています。一声掛け合う、ちょっとした会話などで、犯罪を少しでも防いでいければと思います」
(2月2日『news zero』より)