【解説】宮崎や熊本で「線状降水帯」…土砂災害の危険高まる 台風7号も“ノロノロ台風”…お盆期間は高波に注意
台風6号の影響で宮崎県と熊本県に9日夜、線状降水帯が発生し、土砂災害などへの警戒が必要です。さらに台風7号もゆっくり動く危険な台風となりそうです。お盆期間中は太平洋側の広い範囲で波が高くなり、海のレジャーなどで注意が必要です。
中島芽生アナウンサー
「宮崎県と熊本県に9日夜、活発な雨雲が連なる『線状降水帯』が発生しました。9日午後11時現在も危険な状況が続いています。気象庁は『災害の危険度が急激に高まっている』として厳重な警戒を呼びかけています」
「9日午後11時現在、災害の危険がある地域を『キキクル』でみていきます。土砂災害について鹿児島から宮崎、熊本にかけて土砂災害の危険度『危険(警戒レベル4相当)』とされる地域が広がっていて、土砂災害がいつ起きてもおかしくない非常に危険な状態となっています。このあたりはすでに記録的な大雨になっているところもあり、地盤が緩んでいるため、少しの雨でも土砂災害が起きる可能性があります。厳重な警戒をしてください」
中島アナウンサー
「そして“ダブル台風”も心配ですが、市村さん、現在、関東に近づいてきている台風7号の特徴を教えてください」
市村紗弥香 気象予報士/防災士
「はい、台風7号も危険な台風となりそうです。台風6号もそうでしたが、この台風7号も『動きがゆっくり』です。なぜかといいますと、太平洋の上に高気圧が張り出していて、これに邪魔をされてなかなか北上できない状況が続いています。海面水温の高いところをゆっくりと進むため、海から大量の水蒸気を吸収しますので発達し続け『強い勢力』に今後なると予想されています」
中島アナウンサー
「日本には、いつごろ接近するのでしょうか?」
市村気象予報士
「予想進路をみていきます。台風7号は現在、このあたり(父島がある海域)をゆっくりとした速さで進んでいます。あす10日から12日の土曜日ごろにかけては小笠原諸島に接近し、その後、発達しながら北上。まさにお盆休みの期間中、13日から15日ごろに関東など本州に近づく予想となっています。動きが遅いので暴風が吹いている時間が長くなり、繰り返し襲う強い風によって停電などの可能性も考えられます。また、雨が降っている時間も長いので、水害や山・がけ崩れが多発する可能性も考えられます」
■お盆期間は波に注意…台風が近づいていなくても海には影響あり
中島アナウンサー
「ちょうどお盆休みで予定を入れている人も多いと思いますが、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?」
市村気象予報士
「やはり『波』に注意が必要です。特に海のレジャーは気をつけてください。父島があるあたりに今、台風7号が停滞していて、太平洋沖の波が高くなっているのがわかります。今後の予想をみていきますと、台風が近づくにつれて太平洋沿岸の波が高くなり、12日土曜日には、日本列島の太平洋側の広い範囲で波が3メートルの高さになる予想です。まだ台風が近づいていなくても海は影響を受けていて、高い波が打ち付ける可能性があります」
中島アナウンサー
「海も危険ですし、台風が接近するお盆休みは交通機関への影響も予想されます。他人事だと思わず予定の見直しも検討してください」
(8月9日放送『news zero』より)