新たな崩落の危険性が…救出を阻む“コンクリート製の管” 八潮市・道路陥没
埼玉県八潮市で道路が陥没した事故から5日で9日目です。コンクリート製の管が崩落する危険性があり、捜索を本格化できる見通しは立っていません。
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記者(5日午後4時ごろ)
「埼玉県八潮市の現場です。救出のためのスロープを作る作業が続いています」
発生9日目、転落したトラック運転手の救出を阻むのは“2つの障害”です。1つは、5日午前中にも湧き出し続けていた“下水”とみられる水。もう1つは“コンクリート製の管”です。
埼玉県 大野元裕知事(4日)
「ボックスカルバートの崩落の可能性が高まり、このままでは本格的な救出活動ができない」
──ボックスカルバートの下に運転席部分が?
埼玉県担当者
「最初の陥没地点というイメージでいいかと」
最初の陥没地点に向けて、2つのスロープを伸ばしていますが、今の最優先課題は、崩落の危険性があるという「ボックスカルバート」です。
「ボックスカルバート」とは、道路の下を横断する構造物のこと。道路を造る時に河川などが寸断されてしまわないように通される“トンネル”で、小さな物で50センチほど、大きい物で5メートルほどあるといいます。
八潮市の現場を通る物は、市によりますと、高さ約1.5メートル。農業用排水路として活用されていましたが、今は使われていない物だといいます。
埼玉県担当者
「廃止されて残置された物なので、我々も意識してこなかった。奥の斜面の崩落が進行しまして、下部分が不安定になって落下する危険があるということで、作業を一度中断しました。撤去する時に上からつりながら撤去するか、コンクリートの塊として潰して壊すのかは、今まさに検討している最中です」
穴の中で湧き続けている下水とみられる水については、その撤去後に対応するということです。
現場は県内12の市と町を通る下水が流れ着く場所で、陥没の原因とみられているのは“下水道管の破損”です。4日は午後2時から5時までの3時間、水の使用自粛が一部の県民に強く求められました。
埼玉県 大野元裕知事
「水位の低下については期待されたほどの効果は得られなかったものの、一定程度、効果がみられました。農業用水ボックスカルバートの対応を最優先させた上で、再度、水使用の自粛に関するお願いをするか否かは今後検討させていただきたい」
見通しが立たない状況が続いています。
(2月5日午後5時50分ごろ放送『news every.』より)