年間1万件超…前兆なく “道路陥没” もし遭遇どうする?高度経済成長期から老朽化で… “集中豪雨”も影響か
ある日突然、遭遇するかもしれない“道路の陥没”。日本各地でたびたび起こり、さらに今後も増えるようです。その要因は、戦後の高度経済成長期に整備されて老朽化したものに加え、近年頻発する集中豪雨の影響なども…。なにか“前兆現象”を感じた時、もし遭遇した時の対応を解説します。
「2016年、福岡市博多の中心部で大規模な陥没事故が発生しました。覚えていらっしゃる方も多いと思います」
「2024年9月、千葉県市原市では国道16号が大きく陥没し、復旧まで24時間以上かかりました」
「また、同じ月には広島市で、マンションが立ち並ぶ住宅街の道路が大きく陥没しました。このようにいくつかの陥没がありましたが、葵さん、覚えていますか?」
葵わかなさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「博多の陥没事故は記憶に残っています。こんな景色を見たことがなかったので、実際に起こると驚きました」
藤井キャスター
「実際にはかなり(陥没が)あるということ、増えている印象もあるということです」
「国土交通省の調べでは、道路の陥没は大小さまざまなものがありますが、把握されているだけでも“年間1万件以上”発生しているといいます。中でも、要因として都市部で多くを占めるのが、地中に埋まっている上下水道です」
「地盤に詳しい芝浦工業大学の稲積真哉教授によると、日本の上下水道管はほとんどが戦後の高度経済成長期につくられました。それから、およそ60年。上下水道管は、20年から30年を過ぎると“老朽化”と言えるそうで年々、傷みが出やすくなる、つまり毎年、陥没件数は増えていくだろうということです」
「また、ここ近年目立つ集中豪雨も影響していて、短時間に勢いよく降る雨によって地中の穴が大きくなる傾向もあるということです」
「こうした、空洞の調査は日々行われていますが、すべてを把握することは難しく、いま日本では『いつどこで陥没が起こってもおかしくない』ということです」
藤井キャスター
「見つけるのは難しいと思いますが、前兆のようなものを感じることはできるのでしょうか?」
小栗委員長
「稲積教授によると基本的に前兆はなく、突然、穴が開いてしまうことがほとんどだといいますが、前兆があるとすれば、道路にひび割れ、亀裂が入っている、深くて幅が広い亀裂だと危険性が高まるそうです」
「また、道路が沈んでいることも予兆の可能性があるといいます。実際に、2024年の千葉の陥没では、直前に現場を通った人から『車がボンボンと弾んだ』という証言もありました」
藤井キャスター
「前兆かなと思う現象に遭遇したら、どのようにしたらいい?」
小栗委員長
「まずは、その場に近づかず、すぐに離れて身の安全を確保してください。そして、国交省が開設している『道路緊急ダイヤル#9910』などに、連絡してほしいということです。24時間受け付けていて、通話料は無料、LINEアプリもあります」
藤井キャスター
「前兆がなかなか見つけられない陥没ですが、葵さんはどう感じましたか」
葵さん
「道路の亀裂はこれまで意識したことがなかったですし、こんなことが起こるだろうという想像も難しいと思いました。対策も難しい。前兆がほとんどないということが怖いと思いますね」
藤井キャスター
「いつも安全で当たり前だと思っている道、子どもが使う道を、確認してみるのもいいかもしれません」
(1月28日『news zero』より)