福島第一原発事故 強制起訴 東電旧経営陣の控訴審が結審
福島第一原発の事故をめぐり、強制的に起訴され、1審で無罪となった東京電力旧経営陣3人の控訴審が6日に結審しました。判決はこの冬にも言い渡される見通しです。
東京電力元会長の勝俣恒久被告、元副社長の武黒一郎被告、元副社長の武藤栄被告の3人は、福島第一原発の事故をめぐり、検察審査会から「起訴すべき」との議決を受け、業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴されています。
1審の東京地裁は2019年、3人に無罪を言い渡し、検察官役の指定弁護士が控訴していました。
6日に開かれた控訴審で、検察官役の指定弁護士は、「被告人らは津波が襲来することについて予見可能であり、対策を講じるべきであった」などと主張し、1審の無罪判決について「事実誤認がある」と述べました。一方、弁護側は引き続き無罪を主張しました。
指定弁護士が求めた現場検証などは行われないまま裁判は6日で結審し、判決はこの冬にも言い渡される見通しです。