長崎・被爆体験者訴訟 長崎地裁判決で岸田首相「控訴せざるを得ない」
原告の一部を被爆者と認めた被爆体験者訴訟の長崎地裁判決について、岸田首相は「控訴せざるを得ない」との考えを明らかにしました。
岸田首相「司法判断の根拠に対する考え方が、最高裁で確定した先行訴訟と今回の判決で異なっている。控訴せざるを得ない」
国が定める被爆地域の外で原爆にあった「被爆体験者」ら44人が起こした裁判では長崎地裁が今月9日、一部の地域にいた原告15人を被爆者と認める判決を言い渡しました。
判決を巡り岸田首相は、21日に面会した長崎県知事、長崎市長に以前、敗訴が確定した最高裁判決と「判断が異なる」として、「控訴せざるを得ない」と伝えたということです。
原告団長・岩永千代子さん(88)「岸田首相が言った『合理的な解決』は本当に朗報だと思った。それを覆されたのが信じられない」
国の控訴を受け、原告側も、敗訴した原告について控訴する方針です。
一方で、被爆体験者への医療費の助成の対象を裁判の原告にとどまらず全員に拡大して被爆者と同等にするとし「年内のできるだけ早い時期から始める」と述べました。