「能登を忘れないで」 語り部列車が運行開始【キキコミ】
○のと鉄道 語り部 宮下左文さん
「見てください。もうことごとく崩れ落ちている瓦の姿。そして雨漏りを防ぐためにブルーシートかけているのはそのためなんです。こんな感じで(建物が)壊れているものなんですね。私自身、災害をしっかり受け止めた一人なんです。(マグニチュード)7.6の揺れが起きたわけです」
「語り部」は団体客を相手に、穴水駅から和倉温泉駅までのおよそ30分、あの地震の記憶を伝えました。
地震の前は「観光列車」を走らせていたのと鉄道。その乗務員が今度は「語り部列車」で能登のいまを伝えています。私はまさに語り部として再スタートを切った宮下左文さんに話をうかがいました。
○櫻井
「今日語り部としてどんな話をしたんですか?」
○のと鉄道 語り部 宮下左文さん
「今日はお天気がよくて海がきれいにご覧いただけた日だったものですから、海のご案内を交えて震災の話を進めさせていただきました」
「あー海がきれいだねっていっていただくと本当ですよね、とってもきれいでしょって。『きれいなのは私のことですか?』って、つい言ってしまったんですけどね」
ほがらかに話してくれた宮下さん。ですが、あの日も乗客を案内していたときに地震が起きました。
○のと鉄道 語り部 宮下左文さん
「(元日に)観光列車の中で震災にあいました。お客様を誘導して津波がくるということで高台まで逃げたわけですけども、翌日の夜にやっと(自宅がある輪島に)戻れたんですよ。見事に家がつぶれていました」
○櫻井
「想像していなかった景色だったわけですよね?」
○のと鉄道 語り部 宮下左文さん
「地震が起きても自分の家が全壊するなんて思ってもいなかったですね」
「能登ではまだ再開できていない観光地もある」と話したうえで、最後、こう訴えかけました。
○のと鉄道 語り部 宮下左文さん
「震災や災害は決してひとごとではない。私たちは大変なことがあっても能登が好きです。能登の自然とってもきれい。絶対に復興に向けてゴールに向けて頑張ってまいりますので、ぜひ能登を忘れずにいらっしゃってほしいです」
(藤井キャスター)
ボランティアで力仕事はできないという方がたくさんいらっしゃるかもしれませんけれども、この語り部列車に乗って知ることも大きな支えの一つになるんじゃないかなと考えます。
○櫻井
「語り部列車」は現時点で個人では申し込めず、旅行会社の団体ツアーに参加するか、のと鉄道のホームページを通じ団体で申し込んでください。
(9月16日放送『news zero』より)