【国際女性デー】眠れない…女性に多い「不眠症」どうする?
寝付きが悪い、そのため夜更かしになっちゃって昼間の体調がよくない…そんな悩みはありませんか?こういった症状、実は「不眠症」の可能性も。不眠症は男性より女性に起こりやすい病気で、女性特有のホルモンの影響などもあるといいます。不眠症にならないために、あるいはなってしまったときどうしたらいいのか、睡眠について研究している国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部長 栗山健一氏に聞きました。
■寝室環境を整えよう
Q 最近眠れない…どうしたらいいの?
A不眠の大きなきっかけは「ストレス」です。なるべくリラックスできる睡眠環境をつくることが大事です。
寝室で気にすべきことは光・室温・音の3つです。
▽光
明るい部屋だと脳が昼間だと勘違いしてしまい寝付きが悪くなります。寝る前は間接照明などですこし暗くし、寝るときは真っ暗にするのがおすすめです。
▽室温
暑すぎず寒すぎない適温を保つことが重要です。エアコンを使用する際タイマーで数時間後に切れる設定にする人も多いですが、これが眠りを悪くする原因になります。特に夏場は、一晩中エアコンを使い、湿度にも気をつける必要があります。
▽音
できるだけ静かな環境が理想です。テレビやラジオなどをつけたままにすると睡眠の妨げになるため、避けたほうが良いです。
Q 夜しっかり眠るために、日中気をつけることはありますか?
A 日常生活でもなるべくリラックスできる時間や環境を作ることがおすすめです。
▽運動
日中の運動は眠りをよくするのに非常に良い効果があります。やっていて楽しいと思うような運動を週に何回かするのが理想です。ただ、毎日やらなきゃと思うと、逆にプレッシャーになってしまうため、あくまで楽しんで行うことが重要です。
▽食事
朝ご飯を食べないことは寝付きの悪さにつながります。そのせいで朝寝坊してしまう、だから朝ご飯を食べないという悪循環に陥ってしまいます。また、遅い時間の夕食や間食も寝付きを悪くする要因になります。寝る直前に食べるのはやめた方がいいです。どうしても仕事などで食事が遅くなってしまう人は夜7時頃に部分的に食べておいて、寝る前の食事を軽くするのが効果的です。
▽入浴
寝る前に少し体温をあげると寝付きが良くなることがわかっています。リラックスするという観点でも入浴は効果的です。寝る1~2時間前にゆったりとぬるめのお湯に10~15分くらいつかると良いです。
Q いい眠りのためにこれはやめた方がいい、ということは?
A 夜寝るため、と思って普段やっていることが逆効果なこともあります。
▽飲酒
「お酒を飲むと眠くなるから寝る前に飲む」という人が多いですが実はこれ、良くないです。アルコールは分解されると「アセトアルデヒド」という覚醒作用が強い物質に変化します。そのせいで途中で目が覚め、そのあと寝付けなくなるなど眠りが悪くなってしまいます。寝る前のお酒はやめましょう。
▽カフェイン
カフェインは日中目を覚ますために摂取する人も多いと思いますが、とる時間によっては夜の眠りに大きく影響します。夕方以降の摂取はなるべく避けるほか、量によっては午前中であっても影響する可能性があるため、気をつける必要があります。また、夜リラックスするためにお茶を飲む方もいますが、お茶に含まれるカフェインが気づかない間に眠りを悪くしていることもあるので注意が必要です。ハーブティーなどに替えるといいかもしれません。
Q 不眠症かもしれない、どうしよう
A もし、心配になっても焦ることはありません。経過を見ていると自然に解消する場合も少なくありません。ここまで紹介したような工夫をし、リラックスして過ごすことで眠れなくなった要因が軽減する場合もあります。
一方、強大なショックを受けた場合などは自分でコントロールできないこともあります。ご紹介した方法を試してみても、眠れないなどの場合は、遠慮なく病院を受診してください。
もうすぐ4月。新たな環境でスタートをきり、緊張する日々を送る人もいるかもしれません。無理せず、リラックスできる環境を意識して過ごすことで、いい眠り、いい生活を送る第一歩になるかもしれません。