悪質“点検商法”「トクリュウ」リーダーか 33歳男を逮捕 「必ず金を稼げる」マニュアルも
札束を手にして動画に映っているのは、悪質な“点検商法”の疑いで逮捕された33歳の男です。男は匿名・流動型犯罪グループいわゆる「トクリュウ」のリーダーとみられています。
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真っ赤な高級外車の横でポーズを決めているのは、特定商取引法違反の疑いで逮捕された、兵庫県芦屋市の会社役員、斎藤大器容疑者(33)。
斎藤容疑者のものとみられるYouTubeより
「さぁ今日は何億稼ごうか」
匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる“トクリュウ”のリーダーとみられる男です。
去年7月から11月にかけて、高齢者の住宅で屋根の工事を契約する際、期間内であれば契約を解除できる「クーリングオフ制度」を説明しなかった疑いなどがもたれています。
住宅を訪問し高額な工事を契約させる、いわゆる「点検商法」を繰り返していたリフォーム会社の実質的な経営者だったとみられる斎藤容疑者。警察によると、被害者はこれまでに200人以上。銀行口座には約2億8000万円が確認されているといいます。
投稿された動画では、自身の豪邸を紹介したり、大量の札束を数えたりするなど、ぜいたくな生活ぶりをアピール。
そして語っていたのは…。
斎藤容疑者
「教育システムがしっかりしてるんで、3か月もあれば1000万のレールに乗れる。年収1000万のレールに。これ間違いなく乗れるんですよ」
斎藤容疑者のものとみられるSNSより
「年収1億円可能」
「付いてくれば月収100万円超は約束します」
“必ず金を稼げる”などと呼びかけ、従業員を募集していました。
点検商法に関するマニュアルが書かれたノート。文字がびっしりと並んだこのノートには…。
「屋根のバランスが悪い」
「必ず直した方がいいですよ」
と、点検商法を行う際の会話のやり方が。なかには危険性をちらつかせて交渉させるような文言も。
「非常に危険な状態ですよ」
「人に当たったら危ないですし」
マニュアルには「相手に委ねる」ことや会話の「間」をあけることを指示するト書きまで、細かく書かれていました。
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こうした点検商法にだまされないためには、どうすればいいのか。疑いを持つポイントとして専門家があげたのは…。
元東京地検特捜部 若狭勝弁護士
「突然訪れてきて『おたくの屋根が壊れそうだ』とか言いだす。急いで直さないと深刻な問題になりますよと、強く指摘してくる」
その場で契約金を要求してくる場合も、注意が必要だといいます。
元東京地検特捜部 若狭勝弁護士
「改めて連絡するので、連絡先ありますか?とか、自分で判断せず、親しい親族の意見を聞くこと(が大事)」
斎藤容疑者は警察の調べに対し「弁護士と相談してから話す」と、認否を留保しているということです。
(2月19日放送『news zero』より)