金融庁に出向中、未公開情報を基にインサイダー取引をした罪に問われている元裁判官の佐藤壮一郎（32）被告に対し、東京地裁は懲役2年・執行猶予4年、罰金100万円、追徴金約1020万円などの判決を言い渡しました。

佐藤被告は、去年4月から9月にかけて、出向先の金融庁で、TOB＝株式公開買い付けの前に 企業から提出される書類を審査する職務を通じて知った未公開情報を基に10社の株をあわせて約950万円で買いつけ、インサイダー取引をした金融商品取引法違反の罪に問われています。

これまでの裁判で、佐藤被告は起訴内容を認め、インサイダー取引を行った理由について「老いていく両親や授かったばかりの子どもの将来のために金銭的余裕を持ちたかった」などと述べていました。

検察側は「常習的で悪質な犯行で規範意識の鈍さは深刻」として懲役2年、罰金100万円などを求刑し、弁護側は、執行猶予付きの判決を求めていました。