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“統一教会”に解散命令、教団は今後どうなる?

2025年3月25日 10:10
“統一教会”に解散命令、教団は今後どうなる?

宗教法人の世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”に対して、東京地裁は25日、解散を命じました。東京地裁の解散命令で、教団は今後、どうなるのでしょうか。

教団側は決定に不服がある場合、2週間以内であれば「即時抗告」することができます。「即時抗告」すれば、東京高裁で審理が続くことになります。

仮に、東京高裁でも1審の決定が支持され、改めて解散命令が出た場合、教団側は最高裁に不服を申し立てる「抗告」をすることもできます。

ただし、仮に最高裁に不服申し立て(抗告)をしても、高裁で解散命令の決定が出た時点で、清算手続きは始まります。

教団は宗教法人格を失うと、任意団体となり、税制上の優遇措置は受けられなくなります。ただ、宗教団体としての布教や信仰の活動自体は、これまで通り続けられます。

では、教団の財産はどうなるのでしょうか。

まず、高裁で解散命令の決定が出ると、裁判所が選んだ清算人が教団の財産を清算する手続きに入ります。

清算された財産は、高額献金による被害者の救済などに充てられることになります。

教団の財産をめぐっては、解散命令の前に不当に流出することを防ぐため、2023年12月、特例法が施行されました。

特例法では、法令違反などを理由に解散命令が請求された宗教法人のうち、被害者が相当多数と見込まれる場合には、財産の監視強化の対象となる「指定宗教法人」に指定することができ、この特例法に基づき、文化庁は2024年3月、教団を「指定宗教法人」に指定しました。

「指定宗教法人」に指定されると、不動産を処分する際、1か月前までに国に通知することや、財産目録を3か月ごとに提出することなどが義務づけられます。

しかし、教団による被害の救済に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は「特例法に基づく手続きでは、財産の不当な流出を十分に防ぐことができない」「教団の財産を包括的に保全することが必要だ」と指摘しています。

特例法では、財産の保全について「法律施行後3年をめどに『財産保全のあり方』について検討すること」と付則に盛り込まれるにとどまっています。

このため、全国弁連は「教団が多数の信者を動員して、本部がある韓国に現金を持ち出してしまうような場合、それを防ぐことは、ほとんど不可能だ」だとし、「財産が保全されなければ、清算手続きで被害者へ配当される原資が確保できず、被害者救済が図れない」と訴えています。

最終更新日:2025年3月25日 10:10
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