海水浴場に大量のアオサ漂着 雨で回収進まず 硫化水素発生し“臭い”も…
神奈川県横浜市の海水浴場に大量のアオサが漂着しています。管理者などはアオサの撤去を進めていますが、雨の影響で思うように進んでいません。さらに“臭い”の問題も出てきています。
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記者(横浜市 海の公園 2日)
「波打ち際にはアオサが一面に広がっています」
横浜市の海水浴場には緑色の海岸線が続いていました。
ライフセーバー
「最初はなんだろうと思って、海藻だった」
観光客
「初めて見て、おもしろいと思った」
一面緑の光景に驚き、写真におさめた人もいました。
横浜市の海水浴場に大量のアオサが漂着し始めてから5日が経ちました。
海の公園 宮口均園長
「(アオサが)この量来たというのは近年で一番多いかなと。漂着したアオサを新たに集めて集積をして繰り返していきますので、よく“いたちごっこ”って言われますけれども」
管理者は重機を使い、1日20トンから30トンのアオサの回収を目指していますが、雨が降るとアオサが水を吸い重たくなるため、乾燥するまで回収できず、作業が進まないといいます。
海の公園 宮口均園長
「きょうのように天候が悪い日だとかは乾燥が進まないので」
そして今、訪れた人たちが口をそろえて訴えるのが“臭い”です。
観光客
「くさい」
ライフセーバー
「向こうの道路から歩いてきた時も、「なんだ、この臭い」って」
ライフセーバー
「臭いが温泉みたいな感じで、けっこうびっくりしました」
臭いの原因を専門家に聞きました。
国立環境研究所 矢部徹主任研究員
「硫化水素っていう物質。いろんな微生物がいて、アオサのように生き物が一般的に死ぬと分解しに来る」
死んだアオサを微生物が分解する際に発生する硫化水素が臭いのもとだといいます。
千葉県の谷津干潟などでも、アオサの漂着による硫化水素の発生はたびたび起きているといいます。
国立環境研究所 矢部徹主任研究員
「健康に影響があるような範囲の濃度にはならないですよ」
人体への影響はないといいます。
ただ、アオサの漂着は今後、台風シーズンの10月ごろまで続く可能性があるといいます。
海の公園 宮口均園長
「台風が直撃する状況になってくると、高潮の発生とか強風により、アオサの漂着量増える可能性高くなる。漂着を止めることもできないですし、逐一迅速に対策を進めていく」
今週末も回収作業を行うとしています。