「全国旅行支援」東京でも開始 クーポンで明暗"恩恵受けた観光客”に“利用を懸念する事業者”
東京都でも全国旅行支援がスタートし、土日は多くの観光客でにぎわいました。クーポンの恩恵を受けたという観光客がいる一方で、クーポンの利用を申請するか悩んでいる事業者もありました。
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全国旅行支援が開始して初めて日曜日を迎えた23日の東京。観光地・浅草では、多くの人でにぎわう様子がみられました。
名物の人力車を楽しむ人の姿もありました。人力車の会社では、予約件数が先月の週末に比べ1.5倍に増えているといいます。
時代屋 藤原英則代表取締役
「お問い合わせがメールおよび電話で両方入ってきているので、メールの対応しながら電話に出て、来店のお客さんもいるので、てんやわんや」
人手不足の影響もあり、直前の予約については断りを入れることもあるといいます。
この会社は、全国旅行支援のクーポンにも対応しています。
時代屋のスタッフ
「ご利用されるのは?」
利用客
「2人でなんで1000円、1000円」
2次元コードを読み込み、金額を入力するとすぐに決済が完了しました。
時代屋のスタッフ
「簡単ですね」
利用客
「簡単ですね」
「昨日、来て宿泊して、宿泊の時にクーポンもらって、サイトで見て、このアプリをダウンロードしないとだめと書いてあったので、急いでして」
実は、店としても初めての利用者だったということです。
時代屋のスタッフ
「アプリもそうですし、紙のクーポンも両方扱うんですけど、実際にどういった形になるのかは正直分からなかったので、スムーズな対応ができたのでよかったです」
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羽田空港には、全国旅行支援を利用した割引に期待する観光客もいました。22日に北海道から1泊2日で東京に来たという親子は――
北海道からの観光客
「元々、予約は取っていたので、(先週の)水曜日から東京が適用になったということで、それで使ってきました」
東京を観光し、お土産用にクーポンを利用したといいます。
北海道からの観光客
「1人8000円の割引と、後クーポンがいただけるというので、もらう」
その一方で、21日から2泊3日で八丈島を旅行したという親子は――
八丈島に旅行した人
「旅行中に使えるようになったと聞いて、すごくラッキーって」
旅行の2日目の夕方に、“全国旅行支援の割引が受けられると聞いた”ということです。
八丈島に旅行した人
「前から分かっていれば、その分含めてお土産買ったんですけど、ある程度買った後に聞いたので、お土産増えちゃいました」
急きょ、1人6000円分のクーポンが使えることになりました。そのため、追加のお土産が袋いっぱいに入っていました。親子によると、宿泊代やクーポンを合わせると、実質1人2万円近い割引になったということです。
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観光需要の喚起策として期待されている全国旅行支援。受け入れ側にとっても利用者の増加が期待されていますが、一方で、クーポンの利用を申請するか悩んでいるところもありました。
屋形船「品川船清」は、お土産販売でクーポンの利用を検討しているといいますが、従業員がデジタル対応に不慣れなことや、高齢の客が多いことなどからクーポンの利用を懸念していました。
品川船清 伊東陽子女将
「私共もアプリを入れたんですが、大変なんですね。自分のところでやってすごい大変だったので、多分それ(電子クーポン)にいかないだろうなってみえてる」
さらに――
品川船清 伊東陽子女将
「乗船する前、後は下船後という形になりますと、私共も時間が限られていますので、その中でアプリを開けて、それで作業しないといけないので」
お土産でクーポンを利用する場合、従業員が対応できるのが船の出航時間の前後と限られるため、作業に手間取り、屋形船の業務に影響が出る恐れがあるということです。