「全国旅行支援」で週末の観光地は… 20日から東京も対象 “複雑な仕組み”で混乱も
「全国旅行支援」で、週末の観光地はにぎわいました。20日からはいよいよ東京の旅行も支援の対象になりますが、多くの利用が見込まれるため、現場の混乱も心配されています。
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17日朝、石川県輪島市の朝市では観光客が、地の魚を“爆買い”していました。
愛知県から来た観光客
「カレイおいしそう」
店員
「肉厚でおいしいですよ」
店員
「コッペってこっちでは言うんですよ、エイのひれ」
愛知県から来た観光客
「コッペとダルマガレイと普通のカレイ(を買います)」
店員
「クーポン使えますよ」
“伝統工芸”輪島塗のお店でも、家族全員分のはしをまとめてお買い上げ。
愛知県から来た観光客
「使いますね、クーポン券」
実はこの旅、“実質0円”で宿泊できる“超お得旅”なんです。
民宿・深三 深見大さん
「輪島市独自で宿泊料金の50%オフ、最大5000円の割引支援を受けられます」
ここ輪島市では、他県の人も対象とした市独自の観光支援策を実施しています。この旅館の場合、食事付きで1万円の宿泊代金が50%引きで5000円となり、そこから「全国旅行支援」で40%引きとなり3000円になるのです。
宿泊代1万円-市独自の割引(50%引き)5000円=5000円
5000円-全国旅行支援(40%引き)2000円=3000円
ここに、さらに1人最大3000円のクーポン券を配布。
旅館スタッフ
「クーポン券がお一人さま3枚合計9枚出ていますので」
3000円-クーポン券3000円=実質0円
つまり…
Q.輪島割りと併用すると実質0円
愛知から来た観光客
「え-、すごーい」
Q.先ほど(クーポン)9000円で(宿泊料金)支払い9000円なので
愛知から来た観光客
「すごーい、うれしい。いやー、いいわね。ここでお金使います」
その宣言通り、翌朝は朝市に出掛け買い物を満喫。
愛知から来た観光客
「欲しいものがどんどん出てきちゃう。まだ買いたいものがあるのよ」
“お得感”に買い物欲が刺激され、道の駅など、クーポンを使える場所はどこもにぎわいを見せています。
千枚田 出口彌祐代表取締役
「おみやげの量が普段より多いですよ。おかげさまで大変助かっています」
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国の観光喚起策「全国旅行支援」がスタートして、初めて迎えた週末。
京都から来た観光客
「温泉でゆっくりしたくて熱海に来ました。にぎわってて活気があってよかったと思います」
全国各地の観光地ににぎわいが戻ってきました。
千葉から来た観光客
「子どもが小さいからなんですけど、初めての家族旅行で。行こうと思ったのも、この旅行支援があるっていうことがきっかけだったので」
3回目のワクチン接種証明か、陰性証明の提出が条件となる「全国旅行支援」。東京・羽田空港のPCR検査場では、旅行当日に駆け込みで検査をする観光客もいました。
北海道から来た観光客
「北海道で(検査を)受けようと思っていたけど、時間がなくて、こっち(東京)来て受けました」
福岡へ行く観光客
「陰性証明書が必要なので、きょうとりにきました、当日に」
空港などでPCR検査場を運営するこの会社では、検査の件数が急増していて、全国旅行支援の影響が考えられるということです。
◆木下グループのPCR検査場での検査件数
先々週 3万7438件
先週 5万 387件
あまりの人気にこんな現象も…
ホテル森の風鶯宿 觸澤芳則支配人
「お客さまをお断りしている状況。(予算の割り当てを見た時)見間違えているのかなと」
岩手県のホテルでは、通常の3倍ほどの問い合わせが殺到。県から割り当てられていた予算が初日のうちに終了し、今は予約の受け付けを一時停止しています。
“複雑な仕組み”に混乱する旅行会社もありました。
E旅 金田史生社長
「各県によって対応が少しずつ変わっているので、これが混乱を招いている」
キャンペーンの内容が各道府県で異なるため、開始翌日は急きょ休業して確認作業に追われたということです。
20日からは、いよいよ東京の旅行も支援の対象になります。多くの利用が見込まれるため、現場の混乱も心配されます。