【特集】音声による観光ガイド登場 福井県発“VTuber”も案内役に ストーリー仕立てで旅をサポート
スマートフォンから利用できる音声による観光ガイドサービスが各地に登場しています。ユニークな仕掛けと時間に縛られない自由さが魅力で、新幹線時代の福井の旅をサポートします。
■リポート・松田佳恵キャスター
「恐竜がひしめく福井駅前ですが、歴史にゆかりのあるスポットもたくさんあります。それを案内してくれるのが、専用アプリによる音声ガイドです」
福井駅周辺に登場したのは、ストーリー仕立ての音声ツアー「フクイ・ザ・ミッション」。
■音声ガイド
「これから私の案内に従って福井の街を歩いてもらい、各エリアで出されるミッションにクリアできるかが試されます」
ストーリーは人間と話せる鳥と出会った若者が、スパイ試験のミッションをクリアし、鳥の正体に迫るというもの。声の主は有名な声優で、スポットに近づくとその場所の歴史や見どころを解説してくれます。
■リポート・松田佳恵キャスター
「マップによると、この辺に歴史スポットがある。こちらです。案内見てみましょう」
■音声ガイド
「百間堀跡は、かつてこの地にあった大きな堀の跡のことです」
■リポート・松田佳恵キャスター
「石垣がしっかり見えます。今まで通りすぎてましたが、アプリのおかげで歴史の魅力再発見ですね」
ガイドスポットは14か所あり、巡っていくうちにストーリーが進みます。
■リポート・松田佳恵キャスター
「いろいろな発見があるので、観光客にとっても県民にとっても街歩きのきっかけになりそうです」
一方、坂井市の東尋坊でもウェブから利用できる音声ガイドが登場しています。
■リポート・藤原百花記者
「マップには撮影スポットなどが示されています。この崖のマークに近づいてみましょう」
スポットに近づくとマップが反応。ナビゲーターを務めるのは…。
■音声ガイド
「このスポットは“天泣(あまなき)しぐれ”が案内するね」
起用されたのは、福井県発のVTuber「学窓ハクメイ」のメンバー5人。ポップな語り口で東尋坊の見どころを案内してくれます。
■天泣(あまなき)しぐれ
「ここから前方に見える岩場の先は、東尋坊の目玉の一つでもある大池と呼ばれる場所になります。なんで大池なのかって言うと、上からのぞくと大きな池のように見えるかららしいんだよね」
■巫薙(みなぎ)りんか
「ちなみにこの東尋坊の柱状節理ができたのは1300万年前だよ。すごくな~い?」
観光客の反応もまずまずです。
■東京から訪れた20代女性2人組
「普通にかわいい。聞きやすい」
「結構好きなので」
近くには案内板があったり、観光ガイドのサービスもありますが…。
■奈良から訪れた20代男性
「断然VTuberの方が分かりやすくていい」
「難しい漢字も多いので、耳で聞いた方が分かりやすくていいと思う。見ようとはあまりならない」
■東京から訪れた20代女性
「自分のペースで行きたい。(情報は)ネットである程度出てくる」
ところで、2022年に東尋坊を訪れた62万人のうち半数が40代以上で、若い世代へのアプローチは課題となっています。
■東尋坊エリア活性化に取り組む団体の代表
「雄島であったりとかエリアをどんどん広げて、地域全体で観光客が楽しんでもらえるようなコンテンツになっていけばいい」
各地に登場する音声による観光ガイド。ユニークな仕掛けと時間に縛られない自由さは、福井の観光にマッチしたサービスだと専門家も指摘しています。
■県観光連盟 観光ブランドアップ・スーパーバイザー 於保孝志さん
「福井県の観光ガイドは高齢化していて、ガイドの平均年齢も全国1位というくらい高くなっている。『セルフガイドツアー』で不足するガイドを補ったり、観光客のニーズに合わせたサービスを提供できる」
新たな観光のコンテンツとして人材不足解消の効果も音声ガイドサービス。新幹線時代の福井の旅を後押しします。