新幹線開業へ“訓練”大詰め 運転士が最終調整中 ブレーキで変わる乗り心地 地形の特徴や走行時の注意点は
北陸新幹線の県内開業に向けて、さまざまなシーンで準備が大詰めとなっています。県内出身の新幹線運転士も安全で正確な運行に向けて最終調整に入っています。(2月27日)
越前市出身で新幹線運転士3年目の水上栄利さん(38)。新幹線県内開業で長野‐敦賀間の運転を担当することになりました。
■水上栄利(みずかみ・まさとし)さん
「新幹線が地元に来るということはすごく楽しみ。自分自身も敦賀開業をきっかけに新幹線運転士を目指していたので」
「その日の天候やどれだけ乗車いただけるかでブレーキが変わるので、そういったイメージトレーニングをしながら出場している」
長野‐敦賀間を担当する運転士は総勢90人。年末から始まった訓練運転を通して、新たに開業する金沢‐敦賀間の地形の特徴や走行の際の注意点を把握し、運転手同士で情報を共有しています。
この日、話題になっていたのは、敦賀駅に入っていく際のブレーキのかけ方。 列車は駅に近づくと自動ブレーキが働きますが、1キロほど手前からは運転士がブレーキをかけるマニュアルに切り替わります。特に敦賀駅は、急勾配を下って駅に入っていくため、運転士の腕の見せ所だそうです。
■水上栄利さん
「僕は下ってブレーキをかけた状態、一番緩いブレーキをかけた状態で入駅して、ゆっくりブレーキをかけていく。だからブレーキ時分、ブレーキをかけている時間は長い。その代わり衝動は少ない。気持ちを込めてブレーキしている」
駅と駅との間隔が短い金沢‐敦賀間で難しいのがダイヤ通りの運行。決められたダイヤの前後5秒以内で駅に到着することが求められ、細心の注意を払ってスピードを調整する必要があるということです。
■水上栄利さん
「全国からたくさんの人が福井県に来ると思う。運転士としても、乗り心地を意識して、安全で快適な新幹線をご利用いただけるよう全力を尽くしていきたい」
開業まで18日。地元出身の運転士も、待ちに待った新幹線がふるさとを駆け抜ける新たな時代に備えています。