「起こるべくして起こってしまった」 日大会見を受け“危機管理”の専門家が解説
違法な薬物を所持していた疑いで、アメリカンフットボール部員が5日に逮捕された日本大学。8日に会見を開き、新たな情報が明らかになりました。
今回の事件では不審物の発見から警視庁への連絡まで「12日間の空白」がありましたが、日大は、“学生へのヒアリングを優先させたため連絡が遅くなった”と説明しました。
危機管理の専門家はこの点について――
日本危機管理士機構 理事長・明治大学 名誉教授 市川宏雄氏
「だいたい何か問題が起きると、人間とか組織というのはまず“隠蔽(いんぺい)”というか、隠そうとします。ところが結果的に、後で問題が大きくなった時に対処できない、というのが今回のケース」
「“隠蔽”というのは組織を毀損(きそん)するかもしれない、という認識がないといけない。そういう意味では、危機管理の前提に立っていないという印象」
また、会見で日大は、去年11月下旬、アメフト部の部員1名から「大麻と思われるものを7月頃に吸った」と自己申告があったということを明らかにしました。この時、大学側は警察関係者に相談したものの立証ができず、部の指導陣が厳重注意をしたと説明しました。
こうした事実について林理事長は会見で「最近知った」と話していました。市川氏は「いくら理事長が替わってガバナンスが変わったとしても、肝心の“危機管理をどうするか”という仕組みを作っていない」、「起こるべくして起こってしまった」と指摘しました。
※詳しくは動画をご覧ください(8月8日放送『news every.』より)