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廃業から一転、事業承継で復活 老舗豆腐店を支える看板商品 「ここじゃないと、全然違う」 敦賀市・林とうふ

2024年5月27日 18:36
廃業から一転、事業承継で復活 老舗豆腐店を支える看板商品 「ここじゃないと、全然違う」 敦賀市・林とうふ
事業承継した土山良太さん

港町・敦賀で80年あまりにわたって親しまれ、2年前に一度は廃業した豆腐店。先代の甥が引き継ぎ、このほど復活しました。

大豆をたっぷり使い、おいしい地下水で仕上げた豆腐。敦賀市元町にある林豆腐店の自慢の一品です。

創業は今から87年前の1937年。3代目の林範夫さん(73)が24歳の時に店を継ぎました。林さんによると、昭和30年代には敦賀だけでも20軒以上あった豆腐店は今では3軒にまで減り、売り上げも最盛期の半分ほどに落ち込みました。

林さん自身はもちろん、従業員も歳を重ね、2年前に店を畳むことを決断しました。

■林範夫さん
「先々代から続いて85年やっていて、僕で閉めていいのだろうかという気持ちはあった。それとどうしても欲しいというお客さんがたくさんいたので、悪いなという気持ちもあった」

そんな中、店を復活させようと林さんの甥っ子の土山良太(44)さんが立ち上がりました。

■土山良太さん
「地元の人にすごい愛されているこの豆腐が今後、食べられなくなるということで。探してもいないということで、僕が手挙げたらまた食べれるようになる。それですね、一番(の理由)は」

事業承継の補助金で豆乳を作る機械などを入れ替え、林さんとともに市民に親しまれてきた“元祖の味”を再現しました。

■購入した客
「小さい時だったけど、お豆腐がその時から好きで、ものすごくおいしいというイメージだった」
「子どもも小さくて、おいしいものを食べさせられるのはすごいうれしい」
■購入した客
「やっぱり味が全然違う。なくなってからどうしようかなと思って、いろんな所を見たけどやっぱりない。ここの味が、ここじゃないと絶対だめだと思っていたので。言葉にできないですけど、ありがたいです」

店の看板商品は濃厚な味わいが特徴の絹ごし豆腐。独自の製法で外はカリっと、中はなめらかな舌触りが特徴の「きぬあげ」も人気です。

■土山良太さん
「オープンしてから来るお客さんがみんな『豆腐難民』という言葉を使うんですよね。そんな言葉ないですよね。それくらいみんな困ってたと思うとやって良かったなと思う」

■林範夫さん
「若い考え方も入って、今までの豆腐屋でない新しい豆腐屋これを作っていってほしいなと思う」

港町の老舗の豆腐屋さん。多くの人に後押しされ、86年目の歩みを始めました。

(補足)
現在はまだスーパーでの取り扱いはなく、店頭販売のみ。

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