レトロな商店街が再生に向け歩み出す 新幹線時代にニーズをとらえて
新幹線開業からまもなく半年。駅の周辺で再開発が進む中、福井駅から徒歩3分のレトロな商店街でも身の丈にあったまちの再生が進んでいます。
「カンパーイ」
新栄商店街に去年10月にオープンした「ちょい呑み処ババズ」。一品料理5品とドリンク1杯を組み合わせたお得なセットと人情味ある店主のおもてなしで利用客の心をつかんでいます。
初めて来店
「楽しいし、味もいろいろあっておいしいしとても素敵」
常連客
「店主が優しい人で、料理も優しい 年をとっても来れるのが楽」
一見さんから常連客まで、幅広い世代が集うアットホームな空間。出店にあたっては、「県都まちなか再生ファンド」という県と市の補助金を活用しました。
ちょい呑み処ババズ 東裕子店主
「北陸新幹線が来るってことで、駅前で何かチャレンジできないかなと 正直ファンドがないと出店は出来なかったかな」
戦後の闇市から始まった新栄商店街。老朽化が進み、かつては大規模な再開発なども計画されましたが、地権者が多くてうまくいきませんでした。
こうした中で新幹線開業を契機に、補助金を活用して、昨年度はレストランや喫茶店などあわせて5軒の店がオープンしました。
今年度もこれまでに4件の計画が認定され、9月中旬からは、エリア内の3店舗を共同でリノベーションして、カフェやギャラリーなど6つのテナントが入る、木造2階建ての建物に再生させることになりました。来年3月のオープンを目指しています。
昭和から令和へと商店街の移り変わりを見守ってきた住民からは期待の声が上がっています。
新栄商店街振興組合 古市三郎理事長
「あの時はモノがあればなんでも売れたという時代 物販だけでは今はなかなか難しいというのでその次の段階は飲食店 夜の7時8時までお客さんをつかみたい」
3年前には、出店者の有志や都市環境の専門家などが集まる「新栄の未来を考える会」を設立。時代にあったまちづくりを模索しています。
古市三郎理事長
「リノベによって、そういった店を集合させて、生業が成り立つような店を作る そういったモノの商店街であればいいな ここで商売が成り立たないから、成り立つ道ができた そういうのを期待している」
レトロな雰囲気が残る商店街にかつてのような賑わいを。
新幹線開業をきっかけに、地域の事情を踏まえたまちの再生が進んでいます。