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【特集】被災者の今 能登半島地震から半年 復興や生活再建の動き“道半ば” 福井と能登からの報告

2024年7月1日 19:22
【特集】被災者の今 能登半島地震から半年 復興や生活再建の動き“道半ば” 福井と能登からの報告
倒壊した店の看板=6月12日、輪島市の白藤酒造店

能登半島地震から半年が経ちました。災害関連死を含む死者は280人を超え、住宅への被害は8万3000棟余りにのぼっています。復興や生活再建の動きはまだまだ道半ば。福井と能登の2人の被災者の今を追いました。

震度5強を観測したあわら市。理容室を営む渡邊康徳の住む細呂木地区では、液状化現象が発生し、渡邊さんの自宅と両隣の合わせて3軒の住宅は、応急危険度判定で「危険」と判定されました。

両隣の家の住民はすでに市営住宅に引っ越したものの、渡邊さんは足の悪い80代の両親やネコも一緒に暮らしているため、階段を上り下りする市営住宅に住むのは難しく、市から許可を得て、今も自宅で暮らしています。

また、家を修理しようにも見積もりもできておらず、自宅を取り壊すか、修理して住み続けるか、決断できずにいます。

■渡邊康徳さん
「自分自身も被害はあったけど、工事が進まないままでいると『こんなもんかな』と半分諦めのところもあったり」

毎晩 出かけるのは車で15分の距離にある市内の温浴施設。液状化で給湯器が壊れてお湯が出ないため現在も自宅の風呂は使えず家族そろって温浴施設に通っています。

■渡邊康徳さん
「親も足腰が弱っている。転んでケガされても困る。やっぱり自宅での風呂が理想。半分慣れてきたというのもあって、それも怖い。不安はずっとこれからもついてくると思う」

地震から半年が経った今も、不自由な暮らしを余儀なくされている渡邊さん。先行きも見えず不安な日々を過ごしています。

一方、8,800棟以上の住宅が全半壊し、これまでに災害関連死を含めて112人の死亡が確認されている石川県輪島市。300年以上前からこの地で酒づくりをしている白藤酒造店では、地震で被害を受けた建物が半年経った今も、ほぼ手付かずの状態となっています。

■白藤酒造店 9代目 白藤喜一さん
「あんまり状況が進展していない。早く何とかしたい気持ちはあるが、なかなか進まないので、これは受け入れて過ごすしかないなと」

震災で酒づくりができなくなった白藤さん。能登の酒を絶やすまいと、かろうじて被害を免れた酒米を使って、以前から交流のあった永平寺町の酒蔵で、4月から酒づくりを再開させました。

1か月後には看板商品の「奥能登の白菊」が完成。6月中旬からは、福井県内の酒店での販売も始まりました。

衰えることのない酒づくりへの情熱と多くの人の協力で出荷にこぎつけた能登の酒。しかし、被災地での建物の公費解体の動きはあまり進んでおらず、将来に向けた見通しは不透明です。

■白藤酒造店 9代目 白藤喜一さん
「早く自分のところで仕込みたい気持ちはあるけれど、設備を整えたり、状況が良くなれば早く仕込めるようにはなると思うけれど、いろんな課題がたくさんあるので。心折れずに前に進みたい」

ふるさとでの酒づくりへの思いを募らせる白藤さん。一方で、復興が思うように進まない現実が立ちふさがっています。

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